Aug 30, 2009

『どうする!依存大国ニッポン』

昨日に引き続き、森川友義氏の「35歳くらいまでの政治リテラシー養成講座」です。
第2回目(そして最終回)の今日はつっこみどころがたくさんあります。
筆者の分析や提案には納得できない部分が多いです。つっこみまくりたいです。
ただ、それは置いといて、日本の現状を知るという意味では、読んでおいてもいいかもしれないです。いろいろなデータは日本を知るのに役立ちます。

この本のテーマは”日本の「依存体質」”です。現在の政治の各論の、基本的な焦点を6つ選び、できるだけニュートラル(全然ニュートラル感じられないですが)に解説していくつもりです。とのことで、以下の6つについて章がつくられています。
①世界における日本経済
②日本国の防衛問題
③財政赤字問題
④食料依存
⑤エネルギー依存
⑥少子化問題


この中でも特につっこみどころの多い(というか、結局僕と考え方が違うというだけなのかも知れないです
が)④食料依存の章について見てみます。

それから数千年たった現在の日本の衣食住は、自国のものだけではまかなえなくなってしまっています。ちょっと変ですね、縄文時代が住みやすくて、科学技術の発達した現在が不便というのは。
これは決めつけ過ぎでしょう。自国のものだけでまかなわないと不便なの?それはおかしいですよ。
全ての物事は、「水が低きに流れるが如し」です。何かの力が働かない限り、不便な方向に動くことはあり得ません。

他国・他人に頼る体質では、いつ他人・他国がわたしたちの期待を裏切るかわかりません。他国の政情不安だったり、日本に対する敵意や感情的な嫌悪感だったり、農作物の不作だったり、毒物の混入やBSE、鳥インフルエンザのような病気だったり、さまざまなケースが考えられます。  海外に依存しすぎると、国の存亡にかかわる事態が発生する確率が高くなるのです。
う~ん。つっこみどころ満載でしょ?
仮に、輸入食料をそのような国に集中してしまうことは確かに大きなリスクをともなうとは思います。しかし、そんなアホなことは普通しないです。普通はね。
ここに書いてあることを防ぐ手段は、日本の農業を活性化して自給率を上げることではないと思います。
大切なのは、食料を輸入する相手国を分散することです。
例えば、現在ある作物をA国からのみ輸入しているとします。この場合、考えるべきことは、この作物をA国だけでなく、B国、C国、D国からも輸入することです。そうすることによって、1国依存の体制を改めることができます。もちろんB国、C国、D国はA国とは全く異なるタイプの国(場所、政治形態などが)であることが望ましい。たとえ、A国が日本に対して敵意を持って、日本に対する輸出をストップしたとしても、他の国からの輸入で対応できます。病気などの場合も同様に対処できます。
「じゃあ、A、B、C、D全ての国から嫌われたらどうすんねん?やっぱり海外に依存しすぎたらあかんやろ」と言う人がいるかも知れませんが、全部の国から嫌われてしまったら、もう鎖国するしかないですよ。どこからも相手にされない国ということですから。この時代にそんな国存在できないです。
また、仮に日本で全部作るとして、不作や病気が発生したときにはどうするんですか?不作や病気は他国だけの問題ではないですよ。日本でも起こらないとは限りません。そんなときに、輸入がなかったらしんどいですよ。
実際コメ不足が以前にあったじゃないですか。
それはそうと、依存と言うのはもうやめませんか?

食料の自給率が下がれば、食料の安全保障や食の安全が脅かされることになります。事実、日本は食の危機にさらされているのです。
さっきも書きましたが、僕の考えでは、大切なのは自給率にこだわることではなく、食料輸入国の分散です。投資と同じです。分散によって、リスクを軽減できるのではないでしょうか。
自給率低下が食料の安全保障を脅かすという考え方は、分散を考慮に入れていないと思います。そのリスクを抑えるために分散するんです。世界中が日本の敵になってしまったら、確かに分散も意味がありません。しかし、それ以前に、そんな国存在できません。仮にできたとしても、なんだかなあです。そんな国に住みたくはないですね。
そんでもって、自給率低下が食の安全を脅かすとい考え方は偏見が入ってませんかね?多分昨今の中国製食品の問題が頭にあるのでしょうが。日本でも散々問題が出たじゃないですか。隠れているのはもっともっとありますよ。人のこと言えないですよ。中国製にしても、問題が出たのはほんの一部でしょう(多分ね)。そのほんの一部を見て、全てを否定するかのような書き方は賛成できません。海外でもしっかりした体制のところはたくさんあるはず。そんな所を選べば問題ないはずです。なければ作ってもいいのではないでしょうかね。


なんか粗探しみたいになってしまいました。森川さん、すいません。
別に知り合いでもないですが。

まだまだ反論したい箇所はたくさんあるのですが、長くなるのでやめます。
とにかく、僕の言いたいのは次の通り。

「輸入食品は危険でおいしくない、国内産は安全でおいしい」という前提で話すのはやめませんか?なんかこの前提が根っこにあるような気がするんです。でもこれ、本当ですかね?確実に言えます?
変な先入観を持っちゃったら、ちゃんとした話できないですよ。
確かに、中国産で問題がいくつかありました。だからと言って、全てが問題ということにはならないはずです。海外にも、国内にも、悪質なメーカーはいます。
それに対する意味でも、分散は必要です。悪質メーカーに集中することも防げますから。
必要なのは、国内自給率を上げるために、国内産に集中していくのではなく、何度もいう通り、輸入相手国を分散することです。
日本の農家の人たちがいろんな国に出て行ってもおもしろいかもしれませんね。日本人好みの作物を日本で作るよりも簡単に、そして安く作れるかもしれませんよ。
さらに、輸入食材が国内産よりもおいしくないというのも思い込みかもしれませんよ。
米にしても、普通に考えれば東南アジアで日本米を作ればおいしい米がたくさんとれる気がしますしね。

とにかく、僕も含めて、一般の人は知らないことが多いんです。
それなのに、変な先入観を持って話をしていることが多いと思います。
いい加減、そんなのやめましょうよ。

No comments: