Jul 27, 2011

ボーイングかエアバスか

世界中で航空機といえばボーイング(米国)かエアバス(フランス)。そして遠く離れた第3位に確かカナダのボンバルディア(プライベートジェットはボンバルディアが世界シェアトップ)。


The economistの最新刊にとっても小さいけど、とっても興味深い記事がありました。
アメリカン航空が460機の航空機(通路が1列の小型)を購入するのですが、内訳が
200機のボーイング737と260機のエアバスA320だそうです。
過去数十年にわたってボーイングのみから航空機を購入していたアメリカン航空が、ヨーロッパのエアバスから航空機を購入する。
これは航空産業にとってとても大きなニュースのようです。
エアバス機の方が燃費がいいみたいですね。それが理由だそうです。


それにしてもここのところエアバスはボーイングに対して優勢です。


先日(7/22)も日経新聞にアジア戦略においてエアバスがボーイングを大きく先行しているという記事がありました。
この記事でも主役はエアバスA320機。主にLCC(格安航空会社)に使用される小型機で、
今年に入ってインドのインディゴが180機、マレーシアのエア・アジア(ANAとの提携が発表されたばかりですね)が200機など上期で640機の受注を受けているとのことです。


これは僕のイメージかもしれませんが、これまでLCCといえばボーイング737でした。
サウスウェストといえば737というくらいに米国のサウスウェスト航空での使用が特に有名ですが、カナダのウェストジェットなども737を使用してきました。
それがここにきてエアバスの攻勢。


というか、これはボーイングの緩慢さが招いた当然の結論であり、自滅といっていいモノなのかもしれません。
ANAへの納品が大幅に遅れたボーイング787の開発。納期が数年遅れたことはあまりにも有名であり、あまりにも印象が悪いでしょう。
737の問題ではないにしろ、ブランドイメージが傷ついたことは言うまでもありません。
また、737について言及すれば、737は20年前の設計であり、燃費性能でA320 に劣っているとのこと。
これではエアバスの後塵を拝することになってもしかたないでしょう。


ただし、一方のエアバスも問題がないわけではありません。
オーストラリアのカンタス航空が購入した自慢の新型機A380がエンジントラブルを発生。緊急着陸をするという事態が発生しました。
さらに昨日、シンガポール航空が所有するA380が同じくエンジントラブルで緊急着陸したそうです(ちなみにシンガポール航空はカンタス航空のトラブルの際に所有するA380をいち早くチェックし、問題がないことを発表してましたね)。


ここのところどうもいまいちなボーイングですが、かといってエアバスも磐石というわけではないです。
安全を最優先にしながらも、互いに競い合い良い製品をがんがん開発してほしいものです。
両者の今後のさらなる奮起を期待したいところですね。
もちろん、この2社以外の健闘にも期待します。

Jul 25, 2011

ヴァイキングとコロンブスの接点

「1492年コロンブスがアメリカ大陸を発見」と学校では習います。
でも、アメリカ大陸に最初に到達したヨーロッパ人はコロンブスじゃありません。
コロンブス到達の500年も前にアメリカ大陸に到達し、そこに拠点を構えようとした人たちがいます。
北欧のヴァイキングです。
とはいえ、記録上、かれらが到達したのは現在のカナダ北西部ですが。


”ヴァイキング”と聞いて心踊る人は多いでしょう。僕もそう。
突如として海からあらわれては、街を襲う、女をさらう、金品を強奪する。
最近では海賊といえば、カリブ海のイメージがありますが(ジョニー・デップの映画とかね)、僕の中で海賊といえばやっぱりヴァイキングです。
スカンジナビアからあらわれ、ヨーロッパ中を恐怖におとしいれた連中です。


ヴァイキングが歴史に登場するのは793年。
イングランド北東部の島にあった修道院が突如として襲われます。
その後、スウェーデンからは東にバルト海からロシアへ、デンマークからは西へイングランド、ヨーロッパ北西部をはじめジブラルタル海峡から地中海まで、ノルウェーからはアイルランドへ。
フェロー諸島、アイスランド、グリーンランドを発見したのもヴァイキング達です。
もう、ヨーロッパのいたるところへ行ってますね。
彼らはそこを襲撃したり、交易したり、入植・同化したりしていきます。


そもそもヴァイキングがスカンジナビアを出て行った理由としては、人口をまかないきれなくなったことがあるようです。
当時は比較的温暖だったことと、農業技術の向上により人口が激増しました。
しかし、もともとスカンジナビアには農業に適した土地がそれほど多くはなく、増加した人口を養いきれなくなっていきます。
農業技術の向上→人口増加→土地の搾取と退廃→土地の放棄、という流れは世界各地で繰り返されてきたことです。
帆船の技術がスカンジナビアに伝来したこともあり、人々は海外に出ていくようになります。
最初は交易中心だったようですが、襲撃によって金品を簡単に入手できることに気づいた彼らは襲撃者となっていきます。これがヴァイキングです。


ヴァイキングによる襲撃は1066年に終焉を迎えます。
ヨーロッパ人たちが自衛するようになったこと、ヨーロッパ各国の王たちの勢力増加、そしてヴァイキングの祖国であるノルウェーの王が交易国へと舵を切り替えたことなどが原因のようです。
まあ、このころになると簡単に襲撃できる場所がなくなったというところでしょう。


というのが、ヴァイキングの歴史なわけですが、
僕が一番惹かれるのはこういったいわゆる襲撃もの海賊ものではありません。
一番惹かれるのは、冒険者としてのヴァイキングです。
先に述べたとおり、アイスランドを発見したのもヴァイキングですし、グリーンランドを発見したのもしたのもヴァイキングです。これらの島に入植したのももちろんヴァイキング。
さらに心ひかれるのがヴィンランド。
赤毛のエイリークの息子、かの有名なレイフ・エリクソンが到達した地です。
レイフはグリーンランドを出発し、豊かな土地を発見します。それがヴィンランド。
そもそもヴァイキングには地図を作成する習慣がなかったとも言われており、このヴィンランド到達は長い間伝説として語られてきました。
しかし、現在では、カナダのニューファンドランド島に彼らの定住地跡が見つかっており、ここがヴィンランドであるとする説が有力なようです。
もっとも別の説ではヴィンランドはもっと南にあったとする説もあるようで、これはヴィンランド(ワインの地)という名前からきているようです。


苦労して見つけたヴィンランドですが、ヴァイキングはこの地を10年程度で放棄し、グリーンランドに舞い戻ることになります。
現地の先住民族とのいざこざが絶えず、いつ襲われるかわからない状況だったことが大きな理由だったようです。


しかし、本当にこの地を訪れたヴァイキングのすべてがこの地から去ったのか?
さらに南へ下った人達はいなかったのか?
ヴァイキングには地図を書く習慣がなかったとはいえ、まったくなかったのか?


レイフ・エリクソンはグリーンランドに戻りました。そして、ヴィンランドは伝説になりました。
その伝説はどこまで届いていたでしょうか?
僕にはよくわかりませんが、少なくともレイフの出身地であるアイスランド、あるいはヴァイキングの中では有名な話だったかもしれません。


さて、時代は下り1477年、
そのアイスランドをのちの歴史的超有名人が訪れます。
それがクリストファー・コロンブスです。
その後、航海術のさらなる習得に励んだコロンブスは1484年ころから、航海の計画をポルトガル国王に持ちかけるようになります。
結局ポルトガルには見切りをつけてスペインに移り、数年かけてようやく航海を実現するわけです。
その後はみなさんご存知のとおり。”インド”だと思っていた”アメリカ”に到達するわけです。


コロンブスはアイスランドで何かを聞いたのではないか、さらには、もしかしたら、何かを見たのではないか。
アイスランドから帰って、結婚や長男の誕生などをはさんで、動きが早過ぎる気がするし、あまりに強気な気がするんですよね。




すなわち、
コロンブスはアメリカの存在を知っていた!
のではないかと僕は思っています。
もちろん、そんな証拠はないですし、これからも出てこないでしょうけどね。




数十年前にある地図が見つかりました。アメリカ大陸が記入されたヴァイキングの地図です。
結局これは後世に書かれたフェイクだったわけですが、本物は本当になかったのでしょうか?
あったとしても、この世にはもうないのかもしれません。

Jul 3, 2011

海外留学離れストップへ?

少し前になりますが、6/14の日経新聞に、


経団連が海外の大学に留学する日本人学生を対象にした奨学金制度「経団連グローバル人材育成スカラーシップ」を創設し、国際的な事業に携わる意欲のある大学生に対し、年30人を募集し、1人あたり100万円を支給することを発表した。帰国後の就職も支援する。


という内容の記事が載りました。
小さい記事なのであまり目立たなかったけど、ちょっと気になります。


さてさて、このふざけた名前と内容の奨学金、どこまで本気なんでしょう。
冗談にしか思えないぞ。。。ぜんぜん本気度が感じられない。

そもそもこの奨学金、狙いが
就職活動の過熱などを背景にした大学生の”留学離れ”に歯止めをかけるのが狙いだ。
そんなら、お金と違うやん。。。狙いとやってることがずれてるやん。。。



まあ、十歩譲って、お金の問題で留学をちゅうちょしている学生向けだとしましょう。
それでも、この記事通りの制度だとなんの成果もなく消えていきそうな気がします。
一人たったの100万円は少ないでしょ。それも30人だけで、しかも1年間だけ。。。
福井県とか北陸とかそのくらいのレベルでこれやるなら、まあいいかなとも思うんですが。

これでは、一年間現地の語学学校に通って終わり程度になりかねない。。。
本当に”グローバル人材育成”をしたいのであれば、1年間はあまりにも短すぎる。
せめて、現地のトップ大学に4年間、または大学院に2年間。そのレベルじゃないと経団連としてやる意味ないはずです。(国は米国でも英国でも、中国でも香港でもシンガポールでもオーストラリアでもいい。広く分散させたほうがおもしろい)
だったら、奨学金自体、その額じゃ全然たりないです。
「学費・生活費全部負担するから行ってこい」くらいのものが欲しいと思います。
例えば、米国の私立大学の学費・寮費・生活費合わせて年間約400〜500万円くらいかと思いますが、それを全部出すくらいじゃないと。
それを年間100人くらいはやって欲しいかな。社費でMBAとかやってんだから(やってたんだから)、それくらいできんことないでしょ。


さらに、対象が大学生。どうも想定しているのが、
大学3年生で留学し、4年夏に帰国するケース
みたいなんですよね。だから、帰国後の就職活動とかいう話になる。
もういいって。。。
経団連さんが、しっかりお金使って海外でしっかり勉強してきて、それが日本式の一般の新卒就活すんの?何のために、選抜して海外に送るの?
選抜したその時点で採用予定ということでいいでしょ。あとは海外でよっぽどさぼってたかじゃなければ予定通り採用で問題ないですよ。


であれば、できれば高校生を対象にして、海外の大学にまるまる行かせる奨学金になればおもしろいかもしれませんね。