Oct 29, 2012

「こけし」っておもしろい


宮城県の紅葉の名所として有名なのが鳴子峡。今週末に紅葉を見に行き、この鳴子峡から車で5分ほどの場所にある鳴子温泉に宿泊しました。
この鳴子、実は、、、ってご存知ですよね、こけしで有名な場所。温泉街には数件のこけし屋があり、こけしの造形や絵付けを見ることもできます。
というわけで、いろいろ話も聞いてきました。

写真は「桜井こけし店」でちょっと撮らせてもらったもの。
よく知っているあの形のこけしだけじゃなく、座った形の「すわりこけし」や、お雛様とお内裏様、マトリョーシカなど種類も様々でとてもおもしろかったですね。


この鳴子温泉のこけし屋さんで聞いたこけし話いろいろ。

・  こけしはもともと子供のためのおもちゃ
こけしってその音故に誤解されてきたようです。“子消し”って。“暮らしが厳しく、生まれてきた子供を殺さざるを得なく、その供養のためにこけしを作った”とか何とか、何となくありえそうな話を信じている人、いませんか?
これね、まったくのうそ、つくり話ですわ。
こけしとは、お盆やらなんやらの生活用品を作っていた木工職人が、自分の子供のために作ったおもちゃが発端。東北各地で作られ始めたこけしですが、例えば鳴子では「きぼこ(木の子供)」というように、地方によって呼び名が異なっていました。子供のおもちゃだったこけしですが、徐々に販売がなされるようになり、地方によって名前が異なるのは不便であるということになります。そこで昭和15年に関係者によって、名前を統一するための会議が開かれ、決定された名前が「こけし」だったのです。
この「こけし」という名前に意味はなく、「各地の呼び方の、中間をとったんじゃないですか?」だそうです。
ちなみに、「こけし」を漢字であてて書くことは禁止されているのだとか。平仮名で「こけし」と書きましょう。

実は、今回こけしのブログを書いたのは、このことを「ちゃんと広めておきます」とこけし屋のおじさんと約束したから。おじさ〜ん、ちゃんと書いたで〜。


・  鳴子のこけし職人は現在では30人くらいにまで減ってしまった
以前は鳴子に100人ほどのこけし職人がいたという時代もあったそうですが、職人のなり手がなかなかおらず、どんどん減っている状況らしいです。
「うちの息子も東京で働いているんです。。。」とこけし屋の奥さんも言っていました。

・  女性は絵付けだけでも「○○作」と名前が載せられる
「こけしの岡仁」のご主人が冗談でぼやいていました:-) いくつかのこけしに美智子作と書いてあったので、「女性の職人さんですか?」と聞いてみたところ、奥さんが絵付けをしたんだとか。
男性は木を彫る造形から、顔などの絵付けまですべての過程を行って初めて名乗ることができるのですが、女性の場合は、旦那さんが造形したこけしであれば絵付けだけでも名前を載せることができるらしいです。
「女に甘いんですよ(笑)」なんやってさ。

・  鳴子のこけしはキュッキュッと音がする
      上述の通り、こけしはもともと子供のおもちゃ。その名残で、鳴子のこけしは可動式の首を回すときに音がします。確かにたしかに。キュッキュッ、キュッキュッと音がしました。昔の子供はこの音に喜んだんでしょうね。

今回購入したかわいいこけしがこちら。大事に飾っておきたいと思います。