Nov 27, 2011

Made with Japan

11/19づけのダイヤモンドがエアライン特集だったので久しぶりに買ってしまいました。
その中で、航空評論家の青木謙知という人が787について書いてました。
というわけで、今回もボーイング787についてです。

何を今更、という感じではありますが、
デビューしたばかりのボーイング787、愛称ドリームライナーは"Made with Japan"をうたっています。

2004年にANAが50機の発注を決定し、これを受けてボーイングは787の開発を正式に決定ました。
ANAはパートナー企業として、同機の開発に参加しています。
実際に製造はできない航空会社ですが、毎日乗客と接し、その注文や不満にさらされているからこそ可能である、乗客の視点にたったアドバイスなどを行なってきたといいます。
ちなみにここにはJALからのチームも加わっているようですね。

そして、前回も書きましたが、この航空機は約35%が日本企業によって負担されています。

三菱重工業はボーイングがこれまで他社に製造を任せたことがなかった、主翼製造を担当。
川崎重工は全部胴体を担当。従来の複数パネルの組み立てではなく、一体成型での製造を行ったとのこと。これによって強度向上がはかれます。
東レは素材で大きな軽量化に貢献。従来のアルミ合金ではなく、強度が高く軽いCFRP(炭素繊維複合材料)を供給しています。これは非常に大きなニュースでした。
パナソニックは客席の娯楽システム供給を担当し、厨房部の供給にはジャムコが加わったとのこと。
そしてタイヤはすべてブリヂストン。

ここまで日本企業が関わっている787。
日本にとってもまさしくドリームライナーと言えるかもしれないですね。


ちなみに、この787、
ANAとのプロジェクトの効果か、とても旅客に優しい航空機になっているようです。
つまり、快適ってこと。
特に気圧と湿度は大きなポイントになりそう。
上述の炭素繊維複合素材によって、より高い気圧を保つことができ、より高い湿度を保つことができるようになったとのこと。

気圧に関しては、
これまでは高度2400m相当に保たれていたらしいのですが、これを約1600m程度の気圧にまで引き上げることが可能になったらしい。つまりより地上に近い状態に機内を保つことができるようになったということ。
これは炭素繊維複合材料によって機体強度が向上したため。
すなわち、機体内部と外部の気圧差がこれまで以上に大きくなっても問題がなくなったということですね。

そして、湿度に関しては、
アルミ合金と違って、炭素繊維複合材料には水分による機体の腐食のおそれがないことから、加湿システムによって湿度を高めることできるそうです。
従来の航空機では湿度が0%〜5%程度だったのですが、787では15%にまでなるとのこと。
まあ、これでも低いっちゃあ低いんですが、これまでよりもはるかにましですね。
特に女性にはいいニュースなんではないでしょうか。

まあでも、こういうのって自分で実感してみないとよくわからんよね。
というわけで乗ってみたいよなあ、とますます思ってしまいました。


記事を読んでてふと思ったのですが、
もしかすると、この炭素繊維複合材料って、潜水艦の素材にもいいかも知れないですね。
強度が強くて内外の圧力差に対する耐久性が強いとなると、今よりも深く潜れる潜水艦を製造することもできるかもしれません。潜水艦の潜水可能深度って、どこまでの水圧に機体が耐えられるかで決まっていますから。

それに、この機体が水分に浸食されないというのも潜水艦の素材にはいいかもしれないですね。長持ちしそう。
まあ、軍事関係の技術は進歩が速いから、潜水艦が必要以上に長持ちすることにどこまでの意味があるのかはわからないですけどね。すぐ時代遅れになってしまいそうですから。
特に潜水艦は技術の最先端の粋を集めて製造されるものですからね。

最後はちょっと蛇足かな。