Nov 27, 2011

Made with Japan

11/19づけのダイヤモンドがエアライン特集だったので久しぶりに買ってしまいました。
その中で、航空評論家の青木謙知という人が787について書いてました。
というわけで、今回もボーイング787についてです。

何を今更、という感じではありますが、
デビューしたばかりのボーイング787、愛称ドリームライナーは"Made with Japan"をうたっています。

2004年にANAが50機の発注を決定し、これを受けてボーイングは787の開発を正式に決定ました。
ANAはパートナー企業として、同機の開発に参加しています。
実際に製造はできない航空会社ですが、毎日乗客と接し、その注文や不満にさらされているからこそ可能である、乗客の視点にたったアドバイスなどを行なってきたといいます。
ちなみにここにはJALからのチームも加わっているようですね。

そして、前回も書きましたが、この航空機は約35%が日本企業によって負担されています。

三菱重工業はボーイングがこれまで他社に製造を任せたことがなかった、主翼製造を担当。
川崎重工は全部胴体を担当。従来の複数パネルの組み立てではなく、一体成型での製造を行ったとのこと。これによって強度向上がはかれます。
東レは素材で大きな軽量化に貢献。従来のアルミ合金ではなく、強度が高く軽いCFRP(炭素繊維複合材料)を供給しています。これは非常に大きなニュースでした。
パナソニックは客席の娯楽システム供給を担当し、厨房部の供給にはジャムコが加わったとのこと。
そしてタイヤはすべてブリヂストン。

ここまで日本企業が関わっている787。
日本にとってもまさしくドリームライナーと言えるかもしれないですね。


ちなみに、この787、
ANAとのプロジェクトの効果か、とても旅客に優しい航空機になっているようです。
つまり、快適ってこと。
特に気圧と湿度は大きなポイントになりそう。
上述の炭素繊維複合素材によって、より高い気圧を保つことができ、より高い湿度を保つことができるようになったとのこと。

気圧に関しては、
これまでは高度2400m相当に保たれていたらしいのですが、これを約1600m程度の気圧にまで引き上げることが可能になったらしい。つまりより地上に近い状態に機内を保つことができるようになったということ。
これは炭素繊維複合材料によって機体強度が向上したため。
すなわち、機体内部と外部の気圧差がこれまで以上に大きくなっても問題がなくなったということですね。

そして、湿度に関しては、
アルミ合金と違って、炭素繊維複合材料には水分による機体の腐食のおそれがないことから、加湿システムによって湿度を高めることできるそうです。
従来の航空機では湿度が0%〜5%程度だったのですが、787では15%にまでなるとのこと。
まあ、これでも低いっちゃあ低いんですが、これまでよりもはるかにましですね。
特に女性にはいいニュースなんではないでしょうか。

まあでも、こういうのって自分で実感してみないとよくわからんよね。
というわけで乗ってみたいよなあ、とますます思ってしまいました。


記事を読んでてふと思ったのですが、
もしかすると、この炭素繊維複合材料って、潜水艦の素材にもいいかも知れないですね。
強度が強くて内外の圧力差に対する耐久性が強いとなると、今よりも深く潜れる潜水艦を製造することもできるかもしれません。潜水艦の潜水可能深度って、どこまでの水圧に機体が耐えられるかで決まっていますから。

それに、この機体が水分に浸食されないというのも潜水艦の素材にはいいかもしれないですね。長持ちしそう。
まあ、軍事関係の技術は進歩が速いから、潜水艦が必要以上に長持ちすることにどこまでの意味があるのかはわからないですけどね。すぐ時代遅れになってしまいそうですから。
特に潜水艦は技術の最先端の粋を集めて製造されるものですからね。

最後はちょっと蛇足かな。

Oct 10, 2011

B787ドリームライナー、まもなくデビュー

いよいよ今月26日にボーイング7871、ドリームライナーがデビューします。
世界で最初の商業フライトは成田→香港のチャーター便。


このごろエアバスに遅れをとっている感のあるボーイングですが、このB787で一気の巻き返しと航空機業界への大きなインパクトを狙います。
このB787を世界に先駆けて導入するのが、ANAです。
企画段階からパートナーとして参加し、多くのノウハウを提供してきたらしいです。


その初フライトを前にして、9月末のThe Economistには、6ページを使ったB787の広告記事が掲載されていました。ページの上に”ADVERTISEMENRT”と書いてはありますが、内容は結構気合の入った紹介記事です。
その中で先代のB767と比べてどれだけすごいのか、多くの数字を使って説明していますので、いくつかご紹介。




フライト可能距離が20%延長し、15,200kmまでの飛行が可能に
→日本から欧米のすべての都市へ直行便が飛ばせることになった



飛行速度はマッハ0.85

燃費が20%向上


CO2排出が20%、NOx排出が15%削減
→より環境に優しい航空機へ
ノイズが60%低減


B787の部品のうち35%が日本製
重量の50%が東レの開発した炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastic)
機体重量が20%軽量化
75cmワイドで、25%低いキャビン
窓の大きさが30%増


ANAは55機のドリームライナーを注文済み




機体の軽量化が大きな特徴のひとつでしょう。
それが燃費向上、飛行可能距離延長、機内快適性向上などにつながっています。
これまでは大型機でなければ飛ぶことのできなかった距離を中型機でも飛ぶことが可能になりました。
次世代中型ジェットとも呼ばれるB787 ドリームライナー。
乗ってみたい。むっちゃ楽しみやん!
国内線は、羽田〜岡山、羽田〜広島にまずは使われる予定です。要チェック!

Oct 2, 2011

北極海の氷が予測を超える速度で消失してる?

最近北極圏の話が多いですが、The Economistにも北極圏の気候についての記事が。
北極海の氷が気候予測モデルよりもかなり速いスピードで溶けている
と。
9月9日現在、米国の国立雪氷データセンターが発表したところによると、夏に氷が溶けたことで、北極海を覆っている氷の面積が4.33km2にまで縮小したそうです。


多くの気候学者は北極海の氷が消えていっているのは、いわゆる温室効果ガスの影響による地球温暖化によるものだと考えており、地球上のかなりの人がそれを信じているのではないでしょうか。
これら気候学者によって作られたモデルによると、空気中の二酸化炭素レベルやメタンなどのレベルが上昇を続け、今世紀末には夏期に北極海で氷をみることはできなくなると予測されているそうです。


しかし、実際の氷の消失スピードはそれよりもはるかに速く、2020年〜2050年にはその時がやってくるのではないかとのこと。
原因は完全にはわかっていないようなのですが、最近要因として汚染物質やすす・煤煙などが候補として考えられているらしい。
特にすす・煤煙が注目されているようです。すすは太陽光を吸収し、大気を暖めます。このすすが雨や雪に混じって氷表面に残ると、氷が熱を吸収しやすくなり、その分溶けるのが速くなるというわけです。
したがって、すすを減らすことが氷の消失を減速させると考えられているそうです。ちなみにすすを除去しても、温暖化の影響は残るので氷の消失を止めることはできないんですって。


まあ、僕は今後も気温が上昇し続けるかどうかよく知らないので、温暖化の影響が今後も続くのかどうかはわかりません。でも、すすが氷表面や大気を覆っていると確かに熱を持ちやすくはなりそうです。
この説もまだまだみんなが信じるレベルのものではないようですが、なるほど、ないこともなさそうですね。




地球温暖化について考えるときに、主犯とみなされることが多いのが二酸化炭素。だけど、僕はそれについて完全には賛成していません。
それは、気候という問題を、地球という閉じた系だけで議論してもしかたないと思うから。気候に大きな影響を与える要因が地球外に合った場合、それを本当に考慮に入れているのか疑問です。


でも、そうはいっても二酸化炭素と気温上昇は相関があるらしい。原因かどうかはわからないけど相関はあるらしい。
であれば、やはり二酸化炭素はできるだけ出さないのがリーズナブルなのかなと思います。たとえ本当は問題の原因でなかったとしても、原因でないことが証明されていない以上は、候補にかわりないですからね。
現時点では、最優先する事項だとは思わないけれど、減らせるところでは減らしましょう、ということかな。




それにしても、こちらの記事(「北極海まわりのあれこれ」)でも紹介しましたが、氷が溶けることによって、北極海での資源開発が可能になってきています。
石油や天然ガスの採掘が活発に行われていくことでしょう。
そうなるとすすってたくさん出るんじゃない?氷が溶けるのもっと速くなるんでしょうか?
反対に、数年後には温暖化じゃなくなって、寒冷化で氷が増えたりしてね。
さてさてどうなるでしょうね。

Sep 19, 2011

自動車の現地生産が進んでいく

土曜、日曜と日経新聞には自動車生産の現地生産に関する記事が多く見られました。

9/17(土)にはブラジル政府が国内産業保護のため、輸入車や現地での部品調達率が一定水準に達しない現地生産車を対象に関税率の大幅増加を発表したという記事が。
レアル高の影響もあり、輸入車が急増しており、国内自動車産業の競争力が低下しているんだとか。2011年1~7月の新車総販売数のうち22.4%が輸入車で占められており、ブラジル政府はかなりの危機感を持っているようです。
このような保護主義には国際的な批判が高まるおそれがある、としていますが、そんなのは承知の上でしょう。
ブラジルはBRICsの一角であり、人口も多く、今後の成長も見込まれている国です。まあ、インフレの懸念があるとはいえ、とても魅力的な市場。
各自動車メーカーにとっては対策が必要になってくるかもしれません。

まあ、このような高関税をかける国は、特に新興国では特に珍しいことでもありません。

9/18(日)にはホンダがロシアで乗用車を現地生産する方向であるという記事がありました。
主要部品を日本などから輸出して現地で生産する”ノックダウン方式”を採用する予定とのことですが、これもロシアに完成品を輸出する際の関税が非常に高いから。
プーチン首相がは新車への輸入関税をさらに引き上げる方針らしいので、これはもうロシアで生産しないことには競争ができないということなんでしょう。
ホンダがロシア生産を行うことによって、トヨタ、日産、三菱、そして来年から現地生産を始めるマツダと、日本の自動車会社勢揃いの様相です。

日本でもそうですが、ヨーロッパでもクルマ離れが進んでいるといいます。
特にヨーロッパでは、街から自動車を追いだしていくような都市づくりをしています。都市の中心に自動車を乗り入れさせず、歩行者に優しい(?)街づくり。乗り入れ可能なのはバスやタクシーのみ。そこにトラムなどを組み合わせる都市づくりが進んでいます。
したがって、これからの自動車産業は躍進目覚しい新興国でいかに販売台数を確保するかということがより重要になってくるわけです。

そりゃあ、ホンダもロシアに工場つくるよ。

さらに、この日の記事には、トヨタがハイブリッド用モーターなどの基幹部品に関しても現地で生産することで、中国市場に入っていこうという動きが紹介されていました。
ノックダウン方式ではなく、プリウスを中国で一貫生産するとのこと。これはトヨタにとっては海外初のことだそうです。
技術流出などのリスクを考えても、基幹部品から中国で生産することにメリットを感じているということ。つまり、それだけ中国市場の重要性を感じているということです。

先日の記事(「国内生産回帰と海外生産強化)でも紹介しましたが
トヨタはインドネシアに新工場を建設し、大幅な増産に乗り出すことを発表したばかり。
積極的に新興国での現地生産を進めていく意向です。というか、そうしなければ戦えなくなっているということなんでしょう。
本当にパソコン業界とは違いますねえ。

今後の新興国にはインフレ(になるかも)、人件費高騰の問題などからますます自国産業を守る傾向が強まる可能性があると思います。ということは、自動車会社は今後も現地生産を重視せねばならんということでしょうか。
これはつまり日本での生産が減少していくであろうことを意味していると考えられます。日産のゴーン氏も円高で野田首相に文句言ってたみたいやし。
多くの雇用を抱える国内自動車産業。その空洞化はますます加速していくかも知れないし、そしてそれはきっといかんともしがたいことなんでしょう。
これが時代の流れというものなんでしょうかね。

Sep 18, 2011

北極海まわりのあれこれ


地球全体が温暖化しているのか(そして、仮に温暖化しているとして、それは続くのか)はさておき、北極海では確かに海氷が減少しているようです。


そんな氷が減っている北極海について興味深い記事が2点ほどありました。

北極海の石油開発(日経新聞、9/1
北極海には、未発見の石油の1割強、天然ガスの3割が眠っているそうで、氷が溶けて開発しやすくなってきたことから、石油大手による開発が本格化してきたとのこと。

エクソンモービル(米)はロシア国営石油最大手ロスネフチと組んでロシア西北部沖で、
ロイヤル・ダッチ・シェル(英蘭)は米アラスカ沖で、
シェブロン(米)はカナダ沖で、 などなど


まあ、おそらく問題がないわけでもない。
沿岸諸国の国益に絡む問題が生じる可能性がまずあります。なんといっても、ロシアの存在が少し不気味ですね。たとえ決まった事であっても、いろんなことがひっくり返る可能性がないとはいえない国ですから。
また、地球温暖化の原因が人的要因であると考える人が多い(僕はまだまだ懐疑的ですが)ことから、これらの開発には様々なところから横槍が入るかもしれません。
「自分たちで温暖化を引き起こして、シロクマ(まあ、温暖化の犠牲のひとつの象徴ですね)の住処を奪っといて、今度はそこの資源を開発することでさらに自然を破壊するのか」とかなんとか。。。

これらの問題には政治でしっかりと対処して欲しいと思います。開発できるのあれば、するにこしたことはないですから。
中東の不安定さはしばらく、へたすると長期間続く可能性があります。リスク分散という意味でも、北極海で石油が取れることは重要なことだと思います。日本は石油輸入のほとんどを中東に依存していることからも、この北極海開発には積極的に絡んでもらいたいと思います。
そういう意味でも、日本はロシアとの関係をしっかり保っておくべきなんですよ。


■衛星と北極海航路 (日経新聞、9/15)
ウェザーニュースが北極海の海氷を観測する超小型衛星を1年後に打ち上げるとのこと。
海氷が減少している北極海において、リアルタイムで海氷の動きを予測し、安全な北極海航路を示すことが目的らしいです(夏だけ商用船の航海が可能になるらしい)。衛星はアクセルスペースとの共同開発らしいです。僕の後輩もこの衛生の開発に絡んでるそうです。

北極海に航路が開拓されることは、欧州~アジア間の輸送において非常に大きな意味を持ちます。
まず輸送距離が大きく短縮されます。
スエズ運河経由の2/3、喜望峰経由の1/2になるそうですから。
ということは、輸送時間も、燃料も大幅に軽減できます。
これは船側にとっても、荷主にとってもよいことですね。効率もよくなります。
また、海賊の多い海域を通らなくてもよい、という意外な利点もあるようです。まあ、最近はソマリア沖、東南アジアなどで職業としての海賊が多くいますからね。

そしてこの記事を読んで思い出したのが前々回書いた記事(「シベリアをアラスカをトンネルで結んでどうすんの?」)。なんかよけいにいらん気がするんよなあ。。。

Sep 10, 2011

国内生産回帰と海外生産強化

9/9(木)の日経新聞に面白い記事が隣同士に並んでいました。


ひとつは、富士通とソニーがパソコンの中国製造を減らし、国内製造を増やすという記事。
中国製造の人件費が過去5年間で2倍なったなど、コスト面において中国製造のメリットが薄れたことが大きな要因とのこと。それだったら、「日本製」(高品質だよってアピール)をひとつの武器にして国内出荷のみならず、輸出も伸ばしていこうということみたいです。


ふ〜ん。中国がダメなら日本に戻るのか。
中国の人件費が高騰したなら、もっと人件費の安いところに製造拠点を移動するんじゃダメなんですかね?
中国の人件費が高騰したため、工場をベトナムに移したとか、よく聞く話ですけどね。
それも全部含めて、日本で生産したほうが有利だと判断したということでしょうか。


ちなみに、その富士通ですが、記事によると
13年度にパソコンの世界販売台数を1000万台とし、輸出を11年度の3倍の約220万台に増やす方針。
なんだそうです。まあ、ほとんどが国内出荷という現状だけど、これから輸出を増やしていくときには「日本製」が武器になると踏んだんでしょうか。
個人的には「日本製」どこまで響くのかよくわかりませんが。「日本製」が効くというよりは、「日本メーカー」の信頼性が効くんじゃないかという気がします。
輸出を特に増やしたい先は、東南アジアと中近東らしいですが、じゃあ、そこで作ったほうがコスト的には安いんじゃないでしょうか。特に東南アジアはいまだに、日本の企業を一生懸命誘致してくれてますしね。
東南アジア製造の「日本メーカー」の製品。あかんの?日本製でも東南アジア製でも性能に違いはないでしょ?
間違いなく近い将来(もしかしたらすでに?)日本よりも市場が大きくなるやろうけどなあ。


ほんでもって、この記事の隣にあったもうひとつの記事というのが、トヨタ自動車が300億円をつぎ込んでインドネシアに新工場を建設するというもの。
”インドネシアは東南アジア最大の自動車市場への成長が確実視されており”とあるが、そんなもん人口が違うんやから100%間違いないです。
すなわち、成長するインドネシア市場含む東南アジアで販売する自動車の多くを現地で製造しようという考え方。
そのほうがコスト面で安いからでしょう。


先程のパソコン業界の話と反対ですね。
どっちがいいかは難しいところですが、というか製品サイズも違うものなので比較するのも難しいですが(自動車の場合は小さくて軽いパソコンとは輸送費の面でもコストが大きいから、販売する所からできるだけ近い場所で製造したい欲求はパソコンより強いはず)、個人的にはトヨタよりですね。


それにしても、業界によって(このケースでは)動き方が違う。おもしろいですね。
まあ、業界によってというか、グローバル度合いによってなのかも知れませんけどね。



Sep 7, 2011

シベリアとアラスカをトンネルで結んでどうすんの?


先週GIZMODEで見かけた記事ですが、いまいち狙いがよくわかりません。


シベリアとアラスカを結ぶ世界一長い海底トンネルの建設へ! 超巨大プロジェクトがスタート


15年かけてシベリアとアラスカを結ぶ105kmの海底トンネルをつくるそうです。
これによってロンドンとニューヨークが鉄道でつながるんだとか。
この記事を読んだときは「おーっ!」って思ったんですが、よく考えると何でここに海底トンネルが必要なん?

物資輸送に使用される予定であり、年間1億トンの物資が運べるそうなんですが、それってすごいのか?
ロンドンとニューヨークが結ばれるといっても、ロンドン(というかヨーロッパ)からニューヨークまで鉄道で物資を運ぶのって非効率だと思います。
時間的にも、お金的にも。
現在、遠距離の物資の輸送には主に航空便と船便が使用されています。トラックや鉄道もありますが、これは主に港(空港)まで荷物を運ぶ、あるいは港(空港)から荷物を運ぶことが目的でしょう。

基本的に、航空便はかなり高いけど、時間的には一番速い輸送手段です。
船便はちょっと時間はかかるけど、一度に大量の荷物を安価に運べます。
一方でトラックは小回り・融通が効きやすいですが、一度に運べる量は少なく、輸送費も高い。
そして、鉄道は線路がないと動けないためそこまでの小回りはききませんがトラックよりも大量の荷物を安価に運べます。しかし、量・価格のどちらをとっても船にはかなわないと思います。


となると、大量の物資を遠距離に運ぶにはやはり船なんですよ。
時間の面を考えても、ヨーロッパ〜北米をつなぐのであれば、大西洋を船で渡ったほうが早いはず。おそらく2週間程度で結べるでしょう。

じゃあ、カリフォルニアなど西海岸にi物資を運ぶ場合はどうなの、と思いますが、それでもアラスカから南下するわけですからね。有利になるかどうか・・・
というわけで、個人的にはヨーロッパから米国への物資輸送目的でこのトンネルが建造されてもペイするとは思えないです。というか、この目的でつくるのであればお金と時間の無駄ではないかと思ってしまいます。


じゃあ、仮にヨーロッパ〜米国の物資輸送が目的じゃないとすると・・・?
物資輸送が目的なら、ロシア中部からシベリア〜米国?トンネル掘ってまで運ぶ価値のあるものが存在する?
天然資源しか思いつかないけど、、、さすがにトンネルつくって運ぶことはないでしょう。例えば石油とか天然ガスならパイプラインでいいもんね。


じゃあ、仮に物資輸送が目的じゃないとすると・・・?
もうよくわかりません。
案外、失業者対策だったりしてね。

Sep 4, 2011

世界各国から人がいなくなるまで

エコノミストに面白い図がありました。


歴史の終わり、すなわち世界各国から人がいなくなるのがいつごろか、
を表したグラフです。
人がいなくては国は存続しえません。

これによると、例えば
香港は西暦3000年を 迎えることができず、3000年〜3500年の間に、
シンガポールや韓国にも人がいなくなっていくようです。
日本はというと、、、ほぼ中国と同時期、3500年になる直前に人がいなくなってしまう計算になってますね。あと、1500年か。。。
戦争もなく、国の存続に関わる大きな災害もなく(つまり、日本沈没みたいなのはなくってこと)、自然減少だけでも1500年。。。ちょっと短いよなあ。

さて、これ、どういう計算をしているかというと、
現在の出産率の中の女の子が生まれる比率を使って、ひたすら女性の数を追いかけているだけ。計算はとっても単純です。

例えば、記事の中でも紹介してますが香港の場合、
現在1000人の女性から女の子が547人生まれることが期待できるそう(54.7%)で、その547人から次世代には299人の女の子が生まれる計算になります(547x54.7%)。
香港女性の平均出産年齢が31.4歳であることを考慮すると、香港の女性人口は現在の375万人から25世代後の2798年にはたったの1人になってしまうんだとか。女性がいなくなれば子供は生まれないので、歴史の終わりというわけ。

前週号でも 紹介されていましたが、アジアの国々で特に結婚年齢が上がり、結婚しない人も増えています。そして生まれる子どもの数も減少しています。
出生率は欧米より低くなり、人口はどんどん減っていくでしょう。
個人的にはこれらは個人が選択する問題であり、ああしなさいとかこうしなさいとか、そんなんないよなあと思ってます。好きにしたらいい。
とはいえ、確かに人口が減少していくというのは問題やなあ。人が少なくなればなるほど国は元気がなくなっていきますからね。経済も発展しない。

今回の数値は半分ジョークみたいなもんだとしても、言ってることは間違ってない.。
なんとかしないといけないのかもしれないけど、もう手遅れな感もあります。
移民の積極的な受け入れ、子供に対する給付金(ただしやるなら不公平感なくね)、子供ができても働くことのできる環境づくり,など、語りつくされている感はあるものの結論・進展のなかなか見えないこれらのことをやっぱり考えないといけないですね。

Aug 24, 2011

NTTドコモが自動車「シェア」らしいけど、どうなるかな?

新聞の切り抜きをしているとたまに困ることがあります。
それは、両面に面白い記事がある場合。どっちを生かそうか迷ってしまうこと。
今日の日経の記事もそんな感じでした。
悩んだ末に残したのはこっち(逆面はLCCの記事でした)。


NTTドコモがスマホのGPS機能を利用して自動車共同利用システムを開発したという記事です。
駐輪場に設置した「サイクルポート」にスマホをかざして会員認証し、自転車を使用することができるというシステムらしいです。このポートを複数個 設置することで、利用者は好きな場所で借り、好きな場所へ返すことができるとか。
専用アプリにはポートの位置や利用できる自転車の数も確認できるとかで面白いかなと思います。
2011年度中に約5自治体への納入を計画しているとかで、まだまだ試験の要素が強い段階でしょうけど。


面白いと思う反面、問題点もけっこうありそうです。


1. 利用者をスマホユーザーに限定してしまっている
これはサービスの前提の部分なので問題と言ってしまうのはどうかとも思いますが。
MM総研のリリースのよると、2011年3月末のスマホ契約数は955万件
ターゲットの設定次第なのかも知れませんが、どのくらいの利用者を見込んでいるのか。はたまた、どれくらいの規模で成長すると想定しているのか。
少なくとも多くの高齢者には利用できないサービスになりそう。


2. 課金を「おサイフケータイ」機能を使って行うという点
おサイフケータイがないスマホは使用できないの?そこんとこがよくわかりません。
現時点では「おサイフケータイ」機能がついていないスマホの方が多いのでは?そういう人は使用できない?ということは、現時点でどれくらいの人が利用するのかちょっと疑問です。
iPhoneユーザーはダメってことでしょうかね。ドコモだけにやっぱり。
まあ、これはいずれ解決されていくことなのかも知れませんが、今のところはよくわからんです。
少なくとも僕は使えなさそうです。


3. ポート間の自転車数のバラつきをどうするのか
これは誰かが常に調節しなければならない問題でしょう。
担当者がポートごとの自転車数がバラつかないように、あるいは決められた台数になるようにトラックに乗せて運ぶ必要が出てくると思います。
実際に欧州におけるコミュニティ・サイクル発祥の地であるウィーンでも、2007年からコミュニティ・サイクル・システム「ヴェリブ(velib)」を運営している パリでも、専用トラックに自転車を載せて、ステーションごとの自転車の台数バラつきを調整しています。
この部分を民間に委託するにせよ、自治体が行うにせよ、費用が掛かってきます。
この費用が利用から上がる収入に見合うものなのか、しっかりと考える必要があるでしょうね。
これはパリのシステムでも大きな問題になってるようですからね。
まあ、フランスには「公共交通の黒字こそ悪」というよくわからない考えがあるようなので、一概には言えないのかも知れませんが。


4. 盗難・故障などへの対応はどうするのか
これもコミュニティ・サイクルにつきまとう問題でしょうか。
利用者がポートの使い方になれていない場合とか、ちゃんとロックできない可能性もあります。
ちょっと利用の盗難とか普通にありそうです。ただでさえ、駅前のチャリが盗まれるとかしょっちゅうありますからね。自転車にGPS機能付けますか?それやったら別にスマホいらん気もしますよね。
また、パンクとかいろんな故障はけっこうありそうです。
パリでは、故障により修理が必要な自転車は1日1500台にもなるそうで、修理班が3交代制の24時間体制で市内を巡回しているとか。ホンマかいな。。。
パンクなどその場で対処し、大きな故障は、セーヌ川に浮かべた修理船に運ぶんだとか。ちょっと笑ってしまいますが。すごいなあ。
まあ、ここまでせんでもいいとは思うけどね。ってか無理やろ。


5. 海外からきた観光客は使えないのか
まあ、別に問題でもないですけど、ちょっと残念かな。




まあ、このくらいいろんな事例を参考にしていろいろ考えてはいるんだろうけど。
それでもなかなかうまくいかないのが現実なんじゃないかなあ。
さてさてペイするのかな。
広告媒体として利用することも可能かとは思うけど、どれくらい収入入るかな?
興味はすごくあるんですけどね。
コミュニティ・サイクルってやりかたによってはすごい面白そうやもんなあ。


ちなみに欧州の例はこの本に出てます。
片野優著「ここが違う、ヨーロッパの交通政策」
都市政策にはちょっと興味あります。

Aug 19, 2011

加速する(?)ビール会社の海外展開

前回に引き続きビールの話です。
8月はビール関係のニュースがけっこう多かったですね。


まずは国内ビール大手4社の上期決算。
売上高は
キリンHD 1兆141億円
サントリーHD 8,331億円
アサヒ 6,516億円
サッポロHD 1,944億円


こうしてみると、4大というか3大ですね。
しかも、日経の記事によるとサッポロは3月に買収したポッカの寄与が大きかったとか。
エビスという優良ブランドを持っているためがんばれてはいますが、今後の展望が重要かと思います。言ってしまえば国内外の他企業から見れば狙い目だったりして。
さすがにそれはない?




海外買収の話題もありました。
キリンがブラジルのスキンカリオール・グループを約2000億円で買収。ブラジルのシェア2位の企業らしいですね。2010年12月期の連結売上高は約2852億円とか。
でかい動きしましたね。いい買い物だったのではないでしょうか。
この買収のせいで、格下げされましたが、まあ問題ないでしょう。
危機感を持って海外展開を進めているキリンのこの動きは好感がもてます。




一方でアサヒはニュージーランドのインディペンデント・リカーを約1000億円で買収するとか。
2010年度の売上高は300億円弱らしいです。ニュージーランドでシェア1位とのことですが、ニュージーランドでの売上なんて大きなものじゃないですよね。
オーストラリアでのシェアは3位とのことなので、ここでの成長がねらいなんでしょうか?
アサヒは2010年に約7%だった海外売上高比率を15年までに20%以上に高める計画らしいのですが、ここまでの買収はキリンと比べるとなんか小粒。
世界のビール企業が収斂している現在、待ったなしの状況のはずです。
これからのより積極的な動きに期待でしょうか。




ちなみに、世界最大のビール企業アンハイザー・ブッシュ・インベブのIR資料を見ると、上期の売上高は18,955百万ドル。1ドル80円で計算すると約1兆5000億円。
まあ、今は円高ですからね。それでもキリンの1.5倍あります。というか1.5倍しかないというべきか。
ただ、経常利益額の違いに驚きます。上期の経常利益
キリンは725億円、一方のアンハイザー・ブッシュ・インベブは4,640億円(1ドル80円)。これが世界の優良ブランドを抱える企業の力なんでしょうか。


まちがいなく、これからも企業の統合は進むでしょう。
その流れに乗れない企業は買収の対象になっていくと思います。まあ、それはそれでいいと思いますが。
日本人は日本企業が海外企業を買収することには賛成しますが、逆に海外企業が日本企業を買収しようとすることに強い拒否反応を示しがちです。
そんなこと言ってる場合じゃなくなってるし、国なんて関係ない時代になるかもしれません。


さてさてどうなっていくんでしょうか。

Aug 17, 2011

輸入ビール

コンビニでカールスバーグが売ってたので買ってみました。
ちょっとラベルを見ると、 輸入元はサントリー酒類(株)とのこと。へえー。
日本でも海外のビールって結構売ってるけど、どこが 輸入してるんやろう?ちょっと気になったので、まとめてみます。


バドワイザー
アンハイザー・ブッシュ 社(米)の製品。
キリンがライセンスを取得し、日本で生産しています。なんと国産なんですね。
バドワイザーはこの方法をカナダでもとっています。ラバット社がライセンスを取得し、カナダ国内で生産、販売をしています。


ハイネケン
ハイネケングループ(オランダ)の製品。
キリンとの合弁会社、ハイネケン・キリン株式会社を通じての販売されているとのこと。全種類ではなさそうですが、キリンが国内でライセンス生産を行っているようです。
これも国産やなあ。


カールスバーグ
カールスバーグ(デンマーク)の製品。
コンビニで買った缶を見ると、原産国はデンマークだそうです。日本では生産してないんでしょうかね。
輸入元はさっきも書いたとおり、サントリー酒類


ギネス
ギネス社とグランドメトロポリタン社の合併で誕生したディアジオ(英)の製品。
もちろん誕生はアイルランドです。
日本でのマーケティング戦略にディアジオジャパン株式会社を設立。ギネスの販売元はキリンです。日本での生産はしていないのかな?


コロナ
モデロ社(メキシコ)の製品。
原産国はもちろんメキシコで、輸入元はモルソン・クアーズ・ジャパン株式会社。
カナダのモルソンと、アメリカのクアーズの合弁会社の日本法人。モルソン、懐かしい。
クアーズもこの会社が輸入してますね。


他にも
ステラ(ベルギー)、レーベンブロイ(ドイツ)、ヒューガルテン(ベルギー)がアサヒから販売されてます。




こうしてみると、いろんな国のビールが日本でも飲めます。
そして、その販売にはサッポロをのぞく4大ビール会社が絡んでます。
こうしたライセンス生産や販売権を獲得できるというのは、その企業の力をあわらしていると言えなくもありません。
国内はもちろん、最重要地域になっていくであろうアジアにおける販売網などの力。


これらのライセンスは数年契約でしょう。ということは、両者が満足できなければ輸入元は変わるということ。
げんに、かつてはギネスをサッポロが、バドワイザーはサントリーがおさえていたようですから。それが現在はともにキリンに移っています。


さらにもう一つの懸念は、いつまでライセンス販売が可能かということでしょうか。
世界中でビール企業の買収・合併が進みました。
日本の4社はその中にはまだ取り込まれてはいませんが、今後はどうなるかわかりません。
もっともそれがいいのか、悪いのかは現時点ではよくわからないのですが。
仮にサッポロかどこかが買収された場合、日本での各ブランドの販売権がどう動くかはよくわからないですね。


まあ、そうは言っても、海外ブランドのビールが日本でどこまで売れているかといえば、
きっと各社の銘柄の販売額に比べれば微々たるものなんでしょうけどね。


なにはともあれ、ビール業界ってけっこうおもしろそうです。

Aug 15, 2011

待ちに待った「楊令伝」の文庫化

久々に本の話です。
北方謙三の楊令伝がようやくの文庫化。全15巻で、2012年8月まで毎月1巻ずつ出る予定です。


楊令伝は水滸伝の続編。
頭領の宋江をはじめ、多くの将校が死に、梁山泊がおとされた宋軍との戦いから3年。
生き残った者たちが再び結集の動きをみせはじめます。
宋江に請われて止めをさし、北に逃げた少年楊令。
その楊令を新たな頭領として仰ぎ、梁山泊軍が再びなる、、、はず。


はず、というのは、現在発行されている2巻までではまだ楊令は梁山泊にはっきりとは加わっていないから。
金軍の客将のような位置にあって、宋にすらいない状態です。
これからの展開がとても楽しみです。


一応断っておくと、楊令伝はすでに完結済みです。昨年の10月で完結しています。
単行本では全部読めます。
でも、僕は文庫で月に1冊楽しみに読んでいくことにしています。
単行本は高いもんね。




多分、水滸伝を知らない人も何人かは、というか結構いるんやろうなあ。
水滸伝の舞台は中国・宋の時代。
梁山泊を根城とする賊徒が結集。宋を相手に反乱を起こします。
梁山泊には多くの好漢達が全国各地から集まり、さらに彼らを慕って、また腐敗した政治・統治に反発して、そして梁山泊の掲げる思想に惹かれて多くの兵も集まってきます。
宋を相手に幾度も戦いを繰り広げる間も新たな好漢達が梁山泊に集まり、最終的にその数は108人にも達します。


彼らの経歴はさまざま。
頭領の宋江はもともと地方の役人だし、呼延灼や関勝、秦明などは宋軍の元将軍。他にも役人や宋軍を抜けてきた者は多くいます。
他には、山賊やチンピラなどなど。
全員があだ名を持っており、とても個性豊か。
水滸伝は昔から僕が一番好きな中国の話ですが、その理由のひとつがこれ。一人ひとりがとても面白いんよね。
一人ひとりにきちんとエピソードが設けられていて、梁山泊に向かう理由も過程もみな違う。
ちなみに、108人という数は星の数をあらわしています。108人が揃った段階で、彼らが108の星の生まれ変わりであり、梁山泊に集結したのは運命であったということが明らかになるんですが、これは蛇足ですね。


水滸伝は小説ですが、宋の時代に実際に宋江を中心とする賊徒が梁山泊を拠点に暴れたという史実はあるようです。




北方謙三はこの水滸伝をばらっばらにして物語を再構築してしまいました。
そしてもともと面白かった水滸伝を数倍も面白くしてしまった。
108人が揃うまで誰も死なないはずなのに、北方版「水滸伝」ではがんがん死んでいきます。
そしてその死に方がみなカッコ良すぎる。
その中でも目立つのが楊志。ありえないことに(!)、けっこうはやいうちに死ぬんですが、その息子が楊令。楊令伝の主人公です。


北方謙三はすごいですね。三国志もつくり直してしまったし。
読む小説、読む小説、面白い。
楊令伝を書き終えて、今は史記に取り組んでいるようです。
これも楽しみやし、その後は岳飛伝も書くとのこと。
中国では関羽に並んで人気があるという岳飛。楽しみです。
ちなみに岳飛は宋の将軍であり、楊令伝にも登場します。




水滸伝を読んでいない人は、まず読むことを強くおすすめします。
そして楊令伝。まずは来年の夏までたのしみますよ。
その後は三国志、水滸伝といっしょに一生読みつづけるんやろうなあ。

Jul 27, 2011

ボーイングかエアバスか

世界中で航空機といえばボーイング(米国)かエアバス(フランス)。そして遠く離れた第3位に確かカナダのボンバルディア(プライベートジェットはボンバルディアが世界シェアトップ)。


The economistの最新刊にとっても小さいけど、とっても興味深い記事がありました。
アメリカン航空が460機の航空機(通路が1列の小型)を購入するのですが、内訳が
200機のボーイング737と260機のエアバスA320だそうです。
過去数十年にわたってボーイングのみから航空機を購入していたアメリカン航空が、ヨーロッパのエアバスから航空機を購入する。
これは航空産業にとってとても大きなニュースのようです。
エアバス機の方が燃費がいいみたいですね。それが理由だそうです。


それにしてもここのところエアバスはボーイングに対して優勢です。


先日(7/22)も日経新聞にアジア戦略においてエアバスがボーイングを大きく先行しているという記事がありました。
この記事でも主役はエアバスA320機。主にLCC(格安航空会社)に使用される小型機で、
今年に入ってインドのインディゴが180機、マレーシアのエア・アジア(ANAとの提携が発表されたばかりですね)が200機など上期で640機の受注を受けているとのことです。


これは僕のイメージかもしれませんが、これまでLCCといえばボーイング737でした。
サウスウェストといえば737というくらいに米国のサウスウェスト航空での使用が特に有名ですが、カナダのウェストジェットなども737を使用してきました。
それがここにきてエアバスの攻勢。


というか、これはボーイングの緩慢さが招いた当然の結論であり、自滅といっていいモノなのかもしれません。
ANAへの納品が大幅に遅れたボーイング787の開発。納期が数年遅れたことはあまりにも有名であり、あまりにも印象が悪いでしょう。
737の問題ではないにしろ、ブランドイメージが傷ついたことは言うまでもありません。
また、737について言及すれば、737は20年前の設計であり、燃費性能でA320 に劣っているとのこと。
これではエアバスの後塵を拝することになってもしかたないでしょう。


ただし、一方のエアバスも問題がないわけではありません。
オーストラリアのカンタス航空が購入した自慢の新型機A380がエンジントラブルを発生。緊急着陸をするという事態が発生しました。
さらに昨日、シンガポール航空が所有するA380が同じくエンジントラブルで緊急着陸したそうです(ちなみにシンガポール航空はカンタス航空のトラブルの際に所有するA380をいち早くチェックし、問題がないことを発表してましたね)。


ここのところどうもいまいちなボーイングですが、かといってエアバスも磐石というわけではないです。
安全を最優先にしながらも、互いに競い合い良い製品をがんがん開発してほしいものです。
両者の今後のさらなる奮起を期待したいところですね。
もちろん、この2社以外の健闘にも期待します。

Jul 25, 2011

ヴァイキングとコロンブスの接点

「1492年コロンブスがアメリカ大陸を発見」と学校では習います。
でも、アメリカ大陸に最初に到達したヨーロッパ人はコロンブスじゃありません。
コロンブス到達の500年も前にアメリカ大陸に到達し、そこに拠点を構えようとした人たちがいます。
北欧のヴァイキングです。
とはいえ、記録上、かれらが到達したのは現在のカナダ北西部ですが。


”ヴァイキング”と聞いて心踊る人は多いでしょう。僕もそう。
突如として海からあらわれては、街を襲う、女をさらう、金品を強奪する。
最近では海賊といえば、カリブ海のイメージがありますが(ジョニー・デップの映画とかね)、僕の中で海賊といえばやっぱりヴァイキングです。
スカンジナビアからあらわれ、ヨーロッパ中を恐怖におとしいれた連中です。


ヴァイキングが歴史に登場するのは793年。
イングランド北東部の島にあった修道院が突如として襲われます。
その後、スウェーデンからは東にバルト海からロシアへ、デンマークからは西へイングランド、ヨーロッパ北西部をはじめジブラルタル海峡から地中海まで、ノルウェーからはアイルランドへ。
フェロー諸島、アイスランド、グリーンランドを発見したのもヴァイキング達です。
もう、ヨーロッパのいたるところへ行ってますね。
彼らはそこを襲撃したり、交易したり、入植・同化したりしていきます。


そもそもヴァイキングがスカンジナビアを出て行った理由としては、人口をまかないきれなくなったことがあるようです。
当時は比較的温暖だったことと、農業技術の向上により人口が激増しました。
しかし、もともとスカンジナビアには農業に適した土地がそれほど多くはなく、増加した人口を養いきれなくなっていきます。
農業技術の向上→人口増加→土地の搾取と退廃→土地の放棄、という流れは世界各地で繰り返されてきたことです。
帆船の技術がスカンジナビアに伝来したこともあり、人々は海外に出ていくようになります。
最初は交易中心だったようですが、襲撃によって金品を簡単に入手できることに気づいた彼らは襲撃者となっていきます。これがヴァイキングです。


ヴァイキングによる襲撃は1066年に終焉を迎えます。
ヨーロッパ人たちが自衛するようになったこと、ヨーロッパ各国の王たちの勢力増加、そしてヴァイキングの祖国であるノルウェーの王が交易国へと舵を切り替えたことなどが原因のようです。
まあ、このころになると簡単に襲撃できる場所がなくなったというところでしょう。


というのが、ヴァイキングの歴史なわけですが、
僕が一番惹かれるのはこういったいわゆる襲撃もの海賊ものではありません。
一番惹かれるのは、冒険者としてのヴァイキングです。
先に述べたとおり、アイスランドを発見したのもヴァイキングですし、グリーンランドを発見したのもしたのもヴァイキングです。これらの島に入植したのももちろんヴァイキング。
さらに心ひかれるのがヴィンランド。
赤毛のエイリークの息子、かの有名なレイフ・エリクソンが到達した地です。
レイフはグリーンランドを出発し、豊かな土地を発見します。それがヴィンランド。
そもそもヴァイキングには地図を作成する習慣がなかったとも言われており、このヴィンランド到達は長い間伝説として語られてきました。
しかし、現在では、カナダのニューファンドランド島に彼らの定住地跡が見つかっており、ここがヴィンランドであるとする説が有力なようです。
もっとも別の説ではヴィンランドはもっと南にあったとする説もあるようで、これはヴィンランド(ワインの地)という名前からきているようです。


苦労して見つけたヴィンランドですが、ヴァイキングはこの地を10年程度で放棄し、グリーンランドに舞い戻ることになります。
現地の先住民族とのいざこざが絶えず、いつ襲われるかわからない状況だったことが大きな理由だったようです。


しかし、本当にこの地を訪れたヴァイキングのすべてがこの地から去ったのか?
さらに南へ下った人達はいなかったのか?
ヴァイキングには地図を書く習慣がなかったとはいえ、まったくなかったのか?


レイフ・エリクソンはグリーンランドに戻りました。そして、ヴィンランドは伝説になりました。
その伝説はどこまで届いていたでしょうか?
僕にはよくわかりませんが、少なくともレイフの出身地であるアイスランド、あるいはヴァイキングの中では有名な話だったかもしれません。


さて、時代は下り1477年、
そのアイスランドをのちの歴史的超有名人が訪れます。
それがクリストファー・コロンブスです。
その後、航海術のさらなる習得に励んだコロンブスは1484年ころから、航海の計画をポルトガル国王に持ちかけるようになります。
結局ポルトガルには見切りをつけてスペインに移り、数年かけてようやく航海を実現するわけです。
その後はみなさんご存知のとおり。”インド”だと思っていた”アメリカ”に到達するわけです。


コロンブスはアイスランドで何かを聞いたのではないか、さらには、もしかしたら、何かを見たのではないか。
アイスランドから帰って、結婚や長男の誕生などをはさんで、動きが早過ぎる気がするし、あまりに強気な気がするんですよね。




すなわち、
コロンブスはアメリカの存在を知っていた!
のではないかと僕は思っています。
もちろん、そんな証拠はないですし、これからも出てこないでしょうけどね。




数十年前にある地図が見つかりました。アメリカ大陸が記入されたヴァイキングの地図です。
結局これは後世に書かれたフェイクだったわけですが、本物は本当になかったのでしょうか?
あったとしても、この世にはもうないのかもしれません。

Jul 3, 2011

海外留学離れストップへ?

少し前になりますが、6/14の日経新聞に、


経団連が海外の大学に留学する日本人学生を対象にした奨学金制度「経団連グローバル人材育成スカラーシップ」を創設し、国際的な事業に携わる意欲のある大学生に対し、年30人を募集し、1人あたり100万円を支給することを発表した。帰国後の就職も支援する。


という内容の記事が載りました。
小さい記事なのであまり目立たなかったけど、ちょっと気になります。


さてさて、このふざけた名前と内容の奨学金、どこまで本気なんでしょう。
冗談にしか思えないぞ。。。ぜんぜん本気度が感じられない。

そもそもこの奨学金、狙いが
就職活動の過熱などを背景にした大学生の”留学離れ”に歯止めをかけるのが狙いだ。
そんなら、お金と違うやん。。。狙いとやってることがずれてるやん。。。



まあ、十歩譲って、お金の問題で留学をちゅうちょしている学生向けだとしましょう。
それでも、この記事通りの制度だとなんの成果もなく消えていきそうな気がします。
一人たったの100万円は少ないでしょ。それも30人だけで、しかも1年間だけ。。。
福井県とか北陸とかそのくらいのレベルでこれやるなら、まあいいかなとも思うんですが。

これでは、一年間現地の語学学校に通って終わり程度になりかねない。。。
本当に”グローバル人材育成”をしたいのであれば、1年間はあまりにも短すぎる。
せめて、現地のトップ大学に4年間、または大学院に2年間。そのレベルじゃないと経団連としてやる意味ないはずです。(国は米国でも英国でも、中国でも香港でもシンガポールでもオーストラリアでもいい。広く分散させたほうがおもしろい)
だったら、奨学金自体、その額じゃ全然たりないです。
「学費・生活費全部負担するから行ってこい」くらいのものが欲しいと思います。
例えば、米国の私立大学の学費・寮費・生活費合わせて年間約400〜500万円くらいかと思いますが、それを全部出すくらいじゃないと。
それを年間100人くらいはやって欲しいかな。社費でMBAとかやってんだから(やってたんだから)、それくらいできんことないでしょ。


さらに、対象が大学生。どうも想定しているのが、
大学3年生で留学し、4年夏に帰国するケース
みたいなんですよね。だから、帰国後の就職活動とかいう話になる。
もういいって。。。
経団連さんが、しっかりお金使って海外でしっかり勉強してきて、それが日本式の一般の新卒就活すんの?何のために、選抜して海外に送るの?
選抜したその時点で採用予定ということでいいでしょ。あとは海外でよっぽどさぼってたかじゃなければ予定通り採用で問題ないですよ。


であれば、できれば高校生を対象にして、海外の大学にまるまる行かせる奨学金になればおもしろいかもしれませんね。