Sep 10, 2011

国内生産回帰と海外生産強化

9/9(木)の日経新聞に面白い記事が隣同士に並んでいました。


ひとつは、富士通とソニーがパソコンの中国製造を減らし、国内製造を増やすという記事。
中国製造の人件費が過去5年間で2倍なったなど、コスト面において中国製造のメリットが薄れたことが大きな要因とのこと。それだったら、「日本製」(高品質だよってアピール)をひとつの武器にして国内出荷のみならず、輸出も伸ばしていこうということみたいです。


ふ〜ん。中国がダメなら日本に戻るのか。
中国の人件費が高騰したなら、もっと人件費の安いところに製造拠点を移動するんじゃダメなんですかね?
中国の人件費が高騰したため、工場をベトナムに移したとか、よく聞く話ですけどね。
それも全部含めて、日本で生産したほうが有利だと判断したということでしょうか。


ちなみに、その富士通ですが、記事によると
13年度にパソコンの世界販売台数を1000万台とし、輸出を11年度の3倍の約220万台に増やす方針。
なんだそうです。まあ、ほとんどが国内出荷という現状だけど、これから輸出を増やしていくときには「日本製」が武器になると踏んだんでしょうか。
個人的には「日本製」どこまで響くのかよくわかりませんが。「日本製」が効くというよりは、「日本メーカー」の信頼性が効くんじゃないかという気がします。
輸出を特に増やしたい先は、東南アジアと中近東らしいですが、じゃあ、そこで作ったほうがコスト的には安いんじゃないでしょうか。特に東南アジアはいまだに、日本の企業を一生懸命誘致してくれてますしね。
東南アジア製造の「日本メーカー」の製品。あかんの?日本製でも東南アジア製でも性能に違いはないでしょ?
間違いなく近い将来(もしかしたらすでに?)日本よりも市場が大きくなるやろうけどなあ。


ほんでもって、この記事の隣にあったもうひとつの記事というのが、トヨタ自動車が300億円をつぎ込んでインドネシアに新工場を建設するというもの。
”インドネシアは東南アジア最大の自動車市場への成長が確実視されており”とあるが、そんなもん人口が違うんやから100%間違いないです。
すなわち、成長するインドネシア市場含む東南アジアで販売する自動車の多くを現地で製造しようという考え方。
そのほうがコスト面で安いからでしょう。


先程のパソコン業界の話と反対ですね。
どっちがいいかは難しいところですが、というか製品サイズも違うものなので比較するのも難しいですが(自動車の場合は小さくて軽いパソコンとは輸送費の面でもコストが大きいから、販売する所からできるだけ近い場所で製造したい欲求はパソコンより強いはず)、個人的にはトヨタよりですね。


それにしても、業界によって(このケースでは)動き方が違う。おもしろいですね。
まあ、業界によってというか、グローバル度合いによってなのかも知れませんけどね。



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