Aug 27, 2009

出版業界の流通

週刊東洋経済8/29号で、アマゾンの特集をやっています。
結構面白いので、読んでみるといいと思います。
そのなかで、出版業界のことについてもけっこう説明がありました。
僕もよく知らなかった出版業界の流通について勉強できました。


日本の出版の流通には大きな2つの取引慣習があります。(日本ってなんかこんなんばっかりやな)

1.再販売価格維持制度(再販制度)
  ”出版社が小売価格を定め、値引き販売を行わないことを条件に書店と取引契約を結ぶもので、公正取引委員会からは独占禁止法の例外として認められている” らしいです。例外ってなによ?きっと業界から金が流れているんでしょうね。言ったらワイロ。
出版物が自由価格のアメリカなどとは大きな違いです。

2.委託販売制度
  ”流通段階での売れ残りを出版社に返品精算できる仕組み”らしいです。丸善の社長のコメントにもありますが、この制度がリスクの少ない書店の甘えにつながり、返品率の増大につながり、出版社の利益を圧迫し、疲弊につながるということは大いにあり得ることだと思います。もしかすると、そのせいで本の値段も上がってしまうかもしれません。


次は、書籍の流通形態についてです。
流通経路は以下の通り。
「出版社」 → 「取次」 → 「書店」 → 「読者」
「取次」とは要するに卸業者ですね。この取次、大手2社のシェアが大きいです。
トーハンと日本出版販売の2社でおよそ80%のシェアを握っています。

我々読者は書店から価格100%で本を購入します。
その価格100%の内訳はどのようになっているのでしょうか?先ほどの経路の中に書き込んでみますと、
「出版社」70% → 「取次」8% → 「書店」22% → 「読者」
という感じみたいです。この中からコストを引いたものがそれぞれの利益になります。

ここから考えると、本の価格を下げるためには、「取次」をなくすことと、「出版社」、「書店」の取分を抑えていくことでしょうか。
まあ、結構勝手なこと言ってるとは思いますが、できないことはないはずです。そんなことをされると困る人が大勢出てきてしまうとは思いますが。
実際に、アマゾンでは、「取次」を省く、「 e託販売サービス」というものをはじめ、すでに1200社以上の出版社が参加しているそうですから。
ちなみに出版社って、4000社以上あるらしいですね。そんなにあるんや・・・・・・。

全国の書店数はここ8年でおよそ1/4減っているようです。一方、総売場面積は拡大傾向です。
つまり、小さな書店が消えていき、書店の大型化が進んでいるということです。
これからも減少に歯止めはかからないと思います。ちょっと寂しいことですが。
このような傾向の中であれば、いずれ「取次」の価値ってだんだん小さくなって行くような気もします。
10年後には一体どうなっているのでしょうか?

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