Jul 12, 2009

「天才! 成功する人々の法則」

先週読んだ本です。おススメできる本です。先週読んだ本は、全部当たりでした。ラッキーやね。
著者はマルコム・グラッドウェル、そして、あの勝っちゃん(勝手にそう呼んでます)こと勝間和代氏が日本語訳を担当しています。原書を読んでいないので内容の翻訳の良し悪しは判断できないのですが、
非常に読みやすい訳をしてくれています。

この本の内容は、紹介されている“生態環境”の話に集約されると思います。
「生物学者は有機体について、“生態環境”の話をする。森でいちばん高い樫の木がいちばん高いのは、強いどんぐりから育ったからだけではない。まわりの木々に日射しを遮られず、肥沃な土壌に恵まれ、ウサギに若木の皮を齧られることもなく、伐採人に切り倒されなかったからだ。成功者が強い種から生まれることは誰でも知っている。だが、成功者を育んだ日射しや、彼らが根を下ろした土壌、運よく避けられたウサギや伐採人について、私たちは十分に理解しているのだろうか?」
つまり、生まれつきの個人的資質はまず重要であるがそれが全てではない。どこに生まれたのか?どのような育てられ方をしたのか?というようなその育った環境のほうがさらに重要なファクターだということです。つまり・・・
「成功は、蓄積される優位点から生まれる。いつ、どこで生まれ、親の仕事が何で、どんな環境で育ったか。それが、成功するかしないかに大きな差をもたらす。」
ということです。

筆者の主張は以下の通り。
主張1.「与えられて当然なわけでも、みずから勝ち取ったわけでもない小さな「好機」が、将来を大きく左右する」
主張2.「 頂点に立つ人物は他の人より少しか、ときどき熱心に取り組んできたのではない。圧倒的にたくさんの努力を重ねている。・・・世界に通用する人間に共通する”マジックナンバー”は一万時間である。・・・10代の後半までに自分だけの力で1万時間をクリアすることは、ほぼ無理である。両親の励ましや支えが必要になる。・・・事実、たいていの人が1万時間に達するためには、特別なプロジェクトに恵まれた場合(代表チームに選ばれるなど)か、並外れた後期に恵まれた場合に限られる。」


例えば、始めにカナダのジュニアアイスホッケーチームのプロフィールにおいて、ほとんどの選手が1~3月生まれだったという話があります。25人中15人です。残りも5人が4~5月生まれでした。それに対して6~12月生まれの選手はたったの5人と、大きな偏りがあることがわかります。調べていくと、このチームだけでなくカナダのアイスホッケー界全体において同様のことがわかりました。
でも、なぜ?この理由は単純でした。カナダでは学年を「1月1日」生まれからで区切っているからです。小さなころから選別され続ける世界では、12月生まれは1月生まれに対して非常に大きな不利を生まれつき背負っていることになるのです。最初の選別がある9歳~10歳時点において、1年の差は非常に大きなものです。特に身体の大きさなどは1年で大きく成長します。従って、この最初の選別を通過できるのは大部分が1月~3月生まれの選手であり、それより遅く生まれた選手はそこでおしまいとなる場合が多いということです。その後のチャンスは与えられません。才能があったとしても、生まれが遅かったいうことでアイスホッケー選手の夢をあきらめなくてはならない選手が非常に多いのです。
日本の場合はどうでしょうか?学年の区切りは「4月1日」ですね。勝間氏が調べてみたところ、日本のプロ野球やJリーグには4~6月生まれの選手が多いということです。

このように、多くの例に基づきながら話を進めていきます。
そして、最後に本当に筆者が言いたかったことは次の一文でしょう。
「よりよい世界を築くためにわれわれに求められることは、成功者を決める幸運や気まぐれな優位点、タイミングのいい誕生日や歴史の幸せな偶然の代わりに、すべての人間に好機を与える社会を築くことだ。」


この本を読んで一言、”目からウロコ”っていうのはこんな感じでしょうか?環境が重要だということは日々思っていましたが、ここまで考えてはいなかったです。小さなラッキーの積み重ねによって成功者が作られる。もちろんベースに生まれつきの才能は必要ですが。世の中、以外に不公平なものですね。

では、僕たちはどうしたら成功できるのでしょうか?必ず成功できる方法なんてものはありません。僕たちにできるのは、成功の確率を高めようすることです。ベースの「生まれつきの才能」はどうしようもありません。「いつ、どこに生まれたか」もいったん生まれてしまえば変えようがありません。しかし、環境に関しては少なくとも意識をすることで多少なりと変えられる部分はあると思います。「好機」を読むこと、そのために日々準備を怠らないことです。結局、個人ができるのはそこなのではないでしょうか?変えることができない部分に固執しても仕方がありません。そんな時間があるなら、変えられる可能性のある部部分を見出し。そこに一生懸命になることです。
僕は「偶然は準備された心のみを好む」という言葉を信じています。

子供を持つ親にとってもこの本は役に立つと思います。どのような家庭で、どのように育ったのかが成功に大きな影響を与えるのですから。
また、子供がまだいない夫婦にとっては「いつ、どこに生まれたか」ということある程度コントロールすることも可能だということをつけ加えます。もちろん全ては確率の問題なのですが、成功する確率は少しでも高いほうがいいですよね。

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