週刊エコノミスト7/14特大号の記事です。
GMの経営破綻を受けての6/8の銘柄入れ替えにより、アメリカの代表的な株価指数であるダウ工業株平均(ダウ平均)から自動車メーカーが消えてしまったとのこと。衝撃的ですね。やっぱり。
ちなみにGMの代わりにはネットワーク機器大手のシスコシステムズと保険大手トラベラーズが採用されました。
ダウ平均は30銘柄で構成されていますが、現在の構成銘柄は下記の通りです。
・アルコア ・アメリカン・エキスプレス ・ボーイング ・バンク・オブ・アメリカ ・キャタピラー ・シスコシステムズ ・シェブロン ・デュポン ・ウォルト・ディズニー ・GE ・ホームデポ ・ヒューレット・パッカード ・IBM ・インテル ・ジョンソン・エンド・ジョンソン ・JPモルガン・チェース ・クラフト・チーズ ・コカ・コーラ ・マクドナルド ・スリーエム ・メルク ・マイクロソフト ・ファイザー ・プロクター・アンド・ギャンブル ・AT&T ・トラベラーズ ・ユナイテッド・テクノロジーズ ・ベライゾン・コミュニケーションズ ・ウォルマート・ストアーズ ・エクソンモービル
これを見ると、いわゆるIT関連(ソフト・ハード)含むが多い気がします。あとは薬品・洗剤等関係も4社と多い印象でしょうか。そして鉄鋼がいないことも印象的ですね。
GMはGEなどと並んで、アメリカを代表する企業でした。そして、自動車産業はアメリカで生まれた、本当にアメリカを代表する産業でした(かつては)。古きアメリカの栄光の時代。
そう考えると、自動車メーカーがダウ平均から消えたことはやはり衝撃的なのです。
この記事にはダウ平均の計算の仕方も書いてあります。ちょっと「えっ」と思ったので書いておきます。
単純に式を書くと以下の通り。
構成銘柄の株価の単純合計 / 除数
「えっ」と思いませんか?僕は思いました。分子は株価の”単純合計”なのです。つまり、株価の高い銘柄の影響が非常に強くなるのです。例えば株価水準の低い銘柄が倍になったとしても、ダウ平均に与える影響は微小でしょうが、株価水準の高い銘柄が倍になったりすると影響は大です。
僕の意見ですが、株価の単純合計がアメリカ経済の実態を的確に反映できるのは、すべての企業の発行株式数が同じ場合のみではないでしょうか。なぜならば、市場が認める企業の価値は”株価x発行株式数”(総株価価値とでも書いておきましょう。多分なんか名前はあるのでしょうが)であるはずだからです。単純に株価ではないはずです。その場合株価の単純合計でも、総株価価値の単純合計でも同じことです。
しかし、発行株式数が異なる場合、総株価価値の単純合計と株価の単純合計は意味が違ってきます。この場合、総株価価値の単純合計がフェアな方法であり、本来ならそうすべきでしょう。株価の単純合計では実態を表せない可能性がありますから。
ただ、そうしていないということは、結局のところどちらにしろ実際のところは大きな差がないのかも知れないですけどね。
ちなみに分母の除数というのは、銘柄の入れ替え時においても指数が連続性を保つように調整するためのものです。この数字自体に意味はありません。
ただ、30個の株価のダウ平均に与える影響度は銘柄入れ替えに伴い変化しますので、そこは少し注意が必要かも知れません。そんなに気にしすぎることもないとは思いますが。
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