Jul 6, 2009

格付けって・・・

週刊エコノミスト7/14号より。アメリカの大手格付け機関のムーディーズのピエール・カイルトゥ・マネジング・ディレクターに対する質問です。抜粋します。

―米国債の格付けをAaaに据え置いた理由は。
カイルトゥ Aaaを維持する上で重要な、債務負担能力、債務支払い能力、管理能力が安定しているからだ。今回の経済危機で確かに大きなショックを受け、大きな債務負担を負うことになったが、今後、米政府は財政再建ができるとみている。

格付けとはそもそも何なんでしょうか?もちろん投資に値するかどうかをそのランクによって示すものです。ランクが低い債権ほどデフォルトの確率が高いことを意味していると考えていいのでしょうね。
ちなみに、ムーディーズの格付けは10ランクあり、最高がAaa、最低がBaa3となっています。
日本は最近上から3番目のAa2へと格上げされましたが(理由は?ですが)、2002年5月には上から6番目のA2まで引き下げられ、なんとボツワナより低くなったらしいです。

それにしてもこの回答を見る限り、格付けにははっきりとした数値基準なんかはなさそうですね。なんだか「総合的に判断して、米国債はAaaのままでいいと判断しました」と言ってるみたいです。数値基準がない格付けなんて、恣意的でいい加減な感じがするのは僕だけでしょうか?とても信用できません。
そりゃあ、今後の財政再建ができるとみているから格下げしなかったんでしょうが、その理由については発言していないのでしょうか?紙面の都合上、省略しているだけでしょうか?そこが知りたいのです。


-そもそも格付けは絶対基準か、相対基準か。
カイルトゥ 両方だ。(いろいろな国を)比較してランキングする意味では相対的な評価だ。債券保有者にとっての期待利益と損失予測は絶対評価になるだろう。

なんですってか?答えになっていないのでは?そもそもこの質問の意図は、「ムーディーズの格付けは絶対基準として決定されているのか?あるいは相対基準に基づき決定されているのか?」ということではないのでしょうか?違いますかね?僕の読み違いですかね?
僕の読み方が正しければ、これは答えになっていないと思います。債権保有者にとっては絶対評価って、そんなこと聞いてないでしょ。あんたらが、どうやって格付けを決めてるのか聞いてるんやんか、ってことです。質問する人の聞き方が悪い気もしますが。
格付けを決める数値基準が仮にないとすれば、その格付けは絶対基準に基づくわけがないと思います。相対基準でしかありえない。逆に数値基準によって格付けが決められているのであれば、それは絶対基準です。
誰が一番足が速いか、これは相対評価。オリンピック標準記録を突破できるか、これは絶対評価。そういうことです。

僕の考えでは、格付けがただの相対評価でしかないのであれば、あまり意味はないと思います。そんなもの見る立ち位置によって変わってしまいます。数値基準を設けて、それに厳密に従ってこそ格付けの意味が有ると僕は考えます。

結局、何も答えてくれてないのと同じですね。聞き手も何も聞いてないのと同じですよ、これでは。

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