Jan 26, 2011

海で発電しよう その2 

前回の海底原子力発電所(エントリーはこちら)に続編ということで、海に関する発電です。
僕も初めて知りましたが、海洋温度差発電という発電方法についての記事です(「海洋温度差発電と沖ノ鳥島」)。海洋温度差発電っていうのは、
海面付近の温かい水と深海の冷たい水を双方で汲み上げ、その温度差を巧みに利用して発電します。
だそうです。さらに詳しくは、こちらのウェブサイト(NPO法人海洋温度差発電推進機構)から
海洋の垂直方向に海水温度を測ると、表層海水の温度は20~30℃と温かいですが、表面から800~1000mの深層海水の温度は4~6℃と冷たくなっています。この表層の温海水と深層の冷海水の温度差エネルギーを電気エネルギーに変換するシステムが、海洋温度差発電(Ocean Thermal Energy Conversion、通称OTEC)です。 
ということです。 
火力発電や原子力発電と同様、最終的に蒸気によってタービンを回して発電するようです。ただし、これらの発電と異なるのは、水ではなくアンモニアを蒸発させてタービンを回すところ。
その後、アンモニアは回収され、深海から汲み上げられた冷たい海水で冷やされ液体に戻ります。
そして今度はこの液体のアンモニアを巡回させ表層付近の温かい海水に触れさせ蒸発させタービンに送り込むというわけ。
これの繰り返し。まあ、おもしろいっちゃ、おもしろい。
なんでも、アンモニアの沸点は-33℃なんだそうです。中学校の理科で習ったような気が。。。そもそもこれは冷水よりも低い温度。従って、そのままでは液体の状態でいることはできません。ずっと気体のまま。これじゃあ使えない。
というわけで、水を混ぜて沸点を上げているとのこと。少なくともこの記事の説明はそう読めます。というか、水に溶かすという方が正しいんじゃないですかね。アンモニアは水に溶けやすいからね。
ちなみに30%アンモニア水の沸点は7℃だそうです。多分もうちょっと低い濃度だとちょうどいいのかな。20~25%くらい?
でもそうなってくると、水の沸点を下げるためにアンモニアを溶かしてるのか、アンモニアの沸点を上げるために水に溶かしてるのかなんかよくわからんなあ。どっちかというと水にアンモニアを加えましたって感じのようなきがするけどなあ。なんか理解できてないのかなあ?・・・まあ、いいや。


この海洋温度差発電は当時佐賀大学にいた上原春男氏による高効率の「ウエハラサイクル」によって、実用化のめどが立ってきたとのこと。
この発電方法では深海からポンプを使って冷水を汲み上げないといけないわけですが、その汲み上げにはかなりコストがかかるんですね。
いくら発電が可能であってもコストが掛かりすぎては実現化は難しい。
そこで1994年に発表されたという、この「ウエハラサイクル」です。これによって、発電効率や経済性が飛躍的に向上したそうです。それで、実現化の目が出てきたってわけです。
NPO法人海洋温度差発電推進機構のウェブサイトには少なくともそう書いてあります。
この結果、ウエハラサイクルを使って1万kW以上の海洋温度差発電プラントを作れば、従来の火力発電や原子力発電と同程度の発電原価で発電することができます。
ってね。まあ、記事の方には
経済的に発電コストが既存の電力と見合うためには、深海から1時間に何万tもの海水を汲み上げる取水コストを勘案し、10万kWの出力が必要であり施設の大型化が欠かせません。
って書いてあるので、どっちが正しいのか、それともどっちとも正しくないのかよくわからないですけどね。
日本にある水力、原子力、火力発電所の単機発電量がおよそ数十万kW~100万kW、地熱発電所単機で数千~数万kW程度(まあ、もっと小さいのもあるみたいですが。それはそうと、日本は地熱発電をもっとやってもいいのになあ。国立公園関係のルール変えようよ)であることを考えると、せっかく作るのであれば、数万kW程度のものが欲しいかなと思います。
それくらいのモノを複数個作れるくらいでないと、日本の発電需要には向かないかなと思います。
個人的にはおもしろいなあ、と思うので頑張ってほしいですね。


さらに、この海洋温度差発電には副次的効果が見込めるらしいです。なんでも、


  • 汲み上げられた深海水から、海洋深層水ミネラルウォーターが作れる。
  • 栄養分たっぷりの海洋深層水は発電利用後に養殖業に使用
  • さらにこれを真水にすれば農業用水にも使える
  • この冷海水にはリチウムが採取できる→リチウム電池
  • 冷海水は非常に冷たいため、家やビルなどの地域冷房としても使用可能
  • なんだかんだ・・・
だそうです。あ~、そうですか。。。しまいには、、、この記事いわく
以上のような副次的な付加価値を考慮すれば3千~5千kWの小規模な出力でも海洋温度差発電によるシナジー(相乗効果)が見込めます。
って、10万kWとか言ってたのが、3千~5千kWになってしまいました。一気に下がったな。。。
目的はあくまで発電やんね?
日本の年間発電電力量って、1兆kW程度らしいからなあ。数千kWの発電所じゃあなあ。。。

あとね、この発電方法は
表層水が年中温かい赤道付近の熱帯地域や亜熱帯性気候に属する九州・沖縄地方、小笠原諸島等に限られます。
てさ。ふ~ん。じゃあ、離島用であれば小さいのでもいいんですかね?
なんだか、使えるんだか、使えないんだかよくわからなくなってしまった。。。
まあ、こんなんあったんやなあ、って感じで面白くはありましたけどね。

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