Feb 18, 2011

人は後悔することを恐れるらしい

The New York Timesにちょっと面白い記事を見つけたのでご紹介。("The Price of Regret")
心理学者の研究の結果、「人は将来の後悔を避けるためであれば、利益を放棄することもいとわない」ことがわかった、というもの。
つまり、人は後悔することを恐れているってことですね。将来自分が後悔する可能性を排除するためには、確定している利益を損なってもかまわない。
ふ~ん。面白いなあ。


これは、下記論文の研究内容を紹介したものなので、じゃあこの論文を読んでみたいと思ったのですが、$31.5払わないと全文が読めないみたい。
Regret aversion and the reluctance to exchange lottery tickets
そんならいいや。とりあえず、Abstract(要約)だけは読めるので、これを簡単に訳してみましょう。
最近の研究によって、将来の後悔から自分を守るためであれば、人々は直接的な物的利益を見送ることをいとわないこと、が明らかになった。2つの実験において、1枚の宝くじ券を与えられた参加者にその券と、別の券(同じ宝くじの券)の交換を提案した。しかし、参加者の多くは、たとえこの交換の際にボーナスを与えるという場合においてさえも、交換をしないことを選択した。実験1では、後悔するかもしれないという見通しを予防するためにある操作を加えた。宝くじ券を封筒に入れ封をした状態で与えたのである。これによってより多くの参加者が券の交換に応じることがわかった。実験2では、交換しなかったことを後悔する可能性が増大するにつれ、同様により多くの参加者が交換に応じることがわかった。どちらの実験においても、選択に対する操作の影響は、参加者の後悔の介在を受ける。これらの実験によって、将来の後悔を防ぐために人々は物的な利益を見送ることをいとわないこと、さらには宝くじ券の交換に対するためらいが(部分的であれ)後悔することに対する強い反感に起因することが明らかになった。

 なんだそうです。実験1と2がどんな実験なのかは論文を読んでみないとわからないんですが、雰囲気はなんとなくわかりますね。
それにしてもなあ。当選発表前の、同じ宝くじ券の交換ですよ。当選の確率は同じですよね。しかも交換に応じた場合にはボーナスももらえるっていう好条件。であれば、交換に応じたほうが得なのは容易に理解できます。
でも、「もし、自分が持っていた宝くじが当選したら・・・」と考えると、交換しないんですね。
面白いなあ。


僕なら交換しますよ。まあ、そのボーナスにもよるかもしれませんが、まず交換するね。
だって、宝くじが当選する可能性が交換前後で変わらない以上、交換したほうが絶対得やもん。
そして、一回決断したら後悔しないもん。してもしょうがない。決断ってそういうもんでしょ。
でも、頭ではわかっていても、心の底ではやっぱり後悔するんかなあ。
こういう心理学というか、社会科学というか、行動科学というか、僕はけっこう好きなんです。

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