Jan 10, 2010

都市鉄道の建設費比較

2010年最初の週刊エコノミストは「鉄道の世紀」と題した特集です。
大量輸送力を持ち、エネルギー効率が高く、環境性に優れることなどが再評価されており、世界中で建設の計画が相次いでいるとのこと。
そのような、世界の鉄道建設計画の動向と、それに対する日本企業の動向などについて書かれています。

鉄道建設計画には2種類あります。
都市間を結ぶ新幹線などの高速鉄道と、都市鉄道です。
今日取り上げるのは、都市鉄道です。


都市鉄道とは?
大きく4種類に大別されます。
①地下鉄、②LRT、③モノレール、④新交通システム(無人運転で、自動車交通の影響を受けないシステム。例:ゆりかもめ)
LRTはLight Rail Transitの略で、日本語では次世代型路面電車と言うらしいです。いつから見て次世代なのかは分かりませんんが、いわゆるトラムと思っていいでしょう。まあ、路面電車です。

上記の4種類の都市鉄道ですが、それぞれ長所と短所があり、各都市がどれを採用するのか決定されています。多分。
何も考えないで、つまり比較検討など全くしないで採用している都市などないと思います。日本には。そう信じましょう。
LRT以外の大きな長所としては、自動車交通の影響を受けないということです。逆に影響も与えません。地下とか高架を走りますからね。
逆に短所として、建設費が高いことをまず挙げておきます。当然、地下を掘ったり、高架を作ったりしないといけませんからね。
さらに、地上レベルからの乗降が手間。特に地下鉄。新しい線はより深く、ホームまで時間がかなりかかります。
一方LRTは長所、短所が全て逆ですね。
さらに、LRTは欧州で多く採用されているとのことですが、これには都市再生の視点が大きく影響しているとのことです。
「自動車から歩行者中心のコンパクトシティーを目指す動きと、軌道があることによる公共交通としての存在感や分かりやすさが選好され、LRTは今後、欧州のまちづくりに欠かせない存在になっていくだろう」
とわかるような、わからないようなことが書いてあります。
なんにせよ、利用できる土地があるのであれば、外見にも美しいLRTは街のシンボルにもなりますからね。
僕は結構好きです。


さて、気になる建設費です。1キロ当たりで比較しています。
①地下鉄:250億~350億
②LRT:12億~25億
③モノレール:100億~190億
④新交通システム:70億~120億

全然違いますね。
地下鉄は一番お金がかかるのですね。
やっぱり、土地があるのならば、LRTがよさそうな気がします。地下鉄の10分の1以下ですからね。

仙台も新しい地下鉄を掘るのではなく、LRTという選択肢はなかったのでしょうか?
土地はたくさんありそうなのですが。
単純計算ですが同じ費用で地下鉄の10倍以上の交通網ができます。それも地下鉄より短期間で。
国分町や一番町などの繁華街と、仙台駅を簡単に行き来できるようになると(実は結構歩くんですよね)、もっと便利になると思うのですが。



1 comment:

通りすがり said...

LRTはどうしても物理的に道路を塞ぐため、交通渋滞が発生する懸念があります。LRTを敷いた結果渋滞が激しくなったのでは本末転倒です。
また、この問題の解消のために道路を拡幅したりすると結局事業費が膨張し、地下鉄と大差のないものになってしまいます。