そもそもレアメタルとは?
①存在量が希、②技術・経済的な理由から抽出困難で、現状の需要が高い、③技術革新に伴い新需要が予測される――などの金属の総称である。経済産業省鉱業審議会は特に31種を挙げ、17種あるレアアース(希土類)は1種と扱っている。
そうです。
レアメタルの世界生産量に対する日本消費量の比率(2008年)
・ニッケル鉱石 12.1% (生産国:①ロシア、②カナダ、③豪州)
・クロム鉱石 11.2% (生産国:①南アフリカ、②インド、③カザフスタン)
・マンガン鉱石 6.3% (生産国:①中国、②南アフリカ、③豪州)
・コバルト地金 27.6% (生産国:①中国、②フィンランド、③カナダ)
・タングステン鉱石 10.6% (生産国:①中国、②ロシア、③カナダ)
・モリブデン鉱石 12.2% (生産国:①中国、②米国、③チリ)
・バナジウム鉱石 11.2% (生産国:①南アフリカ、②中国、③ロシア)
・ストロンチウム鉱石 3.4% (生産国:①中国、②スペイン、③メキシコ)
・アンチモン鉱石 3.2% (生産国:①中国、②グアテマラ、③ボリビア)
・リチウム鉱石 14.2% (生産国:①チリ、②豪州、③中国)
・ニオブ鉱石 17.5% (生産国:①ブラジル、②カナダ)
・カドミウム地金 10.5% (生産国:①中国、②韓国、③日本)
・セレン地金 56.3% (生産国:①日本、②ベルギー、③カナダ)
・ビスマス鉱石 13.2% (生産国:①中国、②メキシコ、③ペルー)
・タンタル鉱石 50.0% (生産国:①豪州、②ブラジル、③カナダ)
・ジルコニウム鉱石 2.9% (生産国:①豪州、②南アフリカ、③中国)
・インジウム地金 50.0% (生産国:①中国、②日本、③カナダ)
・イットリウム鉱石 9.0% (生産国:①中国、②インド、③ブラジル)
・レアアース 28.2% (生産国:①中国、②インド、③ブラジル)
おなじみの資源国が並んでいますね。
中国、オーストラリア、カナダ、南アフリカ、ブラジル、南米の国々。
ちなみに、参考までに、ベースメタル(大量に使用される金属)について一例を挙げると、
金生産国:①中国、②南アフリカ、③オーストラリア、④米国 (上位に差なし)
銀生産国:①メキシコ、②ペルー、③オーストラリア (メキシコとペルーがほぼ同じでダントツ)
銅生産国:①チリ、②米国、③ペルー (チリがダントツ)
亜鉛生産国:①中国、②オーストラリア、③ペルー (中国がダントツ)
鉛生産国:①中国、②オーストラリア、③米国 (中国がダントツ)
などとなっています。
こういうの見てるだけでなんか楽しいですね。僕だけですかね?
そもそも資源を持たない技術国の日本にとっては、このようなレアメタルを大量に確保しなければなりませんが、それらは輸入せざるをえません。ここが難しいところ。
経済産業省は7月、レアメタル確保戦略を公表。①海外資源確保、②リサイクル、③代替材料開発、④備蓄――の4つを柱に、資源外交の必要性とターゲットの設定、海外資源の権益確保のための財政投融資、レアメタルの国家備蓄見直し、代替材料の研究開発、リサイクル技術による都市鉱山開発、海底熱水鉱床資源開発、鉱物資源人材育成などを掲げた。
ということですが、まだまだ大手商社頼みの状況みたいです。
というか、この4つの柱って、他に何かあるんですかね。なんか考えられることを全部列挙しただけの感じですね。全部やん、って感じですね。これって戦略なんですかね?疑問ですわ。
一方、中国はレアメタルをかなり生産できます。埋蔵量は多いようです。特に、レアアースは世界の97%を中国が生産しているようです。上の表を見ても、中国がいたるところに顔を出していますね。
しかし、最近の成長で、国内消費量も急増しており、特にレアアースの輸出規制を強めてきているようです。
そうなると困るのはもちろん日本。2008年の中国のレアアース輸出の状況をみると、12種についてデータが載っていましたが、その中の11種のおいて日本が輸入量第一位であり、50%~95%を輸入しているからです。
中国はさらに、海外の資源確保も積極的に進めているようです。突っ走ってます。
いろんな面で日本はこれから中国との関係を考えていかなければなりませんが、このまま中国が突っ走り続けるようなことになれば、中国に主導権を握られる分野が多くなっていくんでしょうね。
政治家の質の問題もありますが。
まあ、中国がこのまま走り続けることができるのか?ということもありますが。
現状の日本の戦略モデル(そんなもんあるんかいな?っていう感じではありますが)は、いまだに、というかおそらくしばらくは、もしかするとずっと?、輸入型技術立国モデル(こんな言葉、ありそうですね)と言ってもいいでしょう。
そんな日本にとって、レアメタルに限らず資源はある意味、生命線と言ってもいいのではないかと思っています。
このまま、数年、十数年、二十数年行ってしまうとどうなるんでしょうか?中国との間に、またその他の国(おそらく米国がらみでしょうか?)との間に、やばい緊張状態が出来てしまうかもしれません。
さてさて、どうなることでしょうね。
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