土曜、日曜と日経新聞には自動車生産の現地生産に関する記事が多く見られました。
9/17(土)にはブラジル政府が国内産業保護のため、輸入車や現地での部品調達率が一定水準に達しない現地生産車を対象に関税率の大幅増加を発表したという記事が。
レアル高の影響もあり、輸入車が急増しており、国内自動車産業の競争力が低下しているんだとか。2011年1~7月の新車総販売数のうち22.4%が輸入車で占められており、ブラジル政府はかなりの危機感を持っているようです。
このような保護主義には国際的な批判が高まるおそれがある、としていますが、そんなのは承知の上でしょう。
ブラジルはBRICsの一角であり、人口も多く、今後の成長も見込まれている国です。まあ、インフレの懸念があるとはいえ、とても魅力的な市場。
各自動車メーカーにとっては対策が必要になってくるかもしれません。
まあ、このような高関税をかける国は、特に新興国では特に珍しいことでもありません。
9/18(日)にはホンダがロシアで乗用車を現地生産する方向であるという記事がありました。
主要部品を日本などから輸出して現地で生産する”ノックダウン方式”を採用する予定とのことですが、これもロシアに完成品を輸出する際の関税が非常に高いから。
プーチン首相がは新車への輸入関税をさらに引き上げる方針らしいので、これはもうロシアで生産しないことには競争ができないということなんでしょう。
ホンダがロシア生産を行うことによって、トヨタ、日産、三菱、そして来年から現地生産を始めるマツダと、日本の自動車会社勢揃いの様相です。
日本でもそうですが、ヨーロッパでもクルマ離れが進んでいるといいます。
特にヨーロッパでは、街から自動車を追いだしていくような都市づくりをしています。都市の中心に自動車を乗り入れさせず、歩行者に優しい(?)街づくり。乗り入れ可能なのはバスやタクシーのみ。そこにトラムなどを組み合わせる都市づくりが進んでいます。
したがって、これからの自動車産業は躍進目覚しい新興国でいかに販売台数を確保するかということがより重要になってくるわけです。
そりゃあ、ホンダもロシアに工場つくるよ。
さらに、この日の記事には、トヨタがハイブリッド用モーターなどの基幹部品に関しても現地で生産することで、中国市場に入っていこうという動きが紹介されていました。
ノックダウン方式ではなく、プリウスを中国で一貫生産するとのこと。これはトヨタにとっては海外初のことだそうです。
技術流出などのリスクを考えても、基幹部品から中国で生産することにメリットを感じているということ。つまり、それだけ中国市場の重要性を感じているということです。
先日の記事(「国内生産回帰と海外生産強化」)でも紹介しましたが
トヨタはインドネシアに新工場を建設し、大幅な増産に乗り出すことを発表したばかり。
積極的に新興国での現地生産を進めていく意向です。というか、そうしなければ戦えなくなっているということなんでしょう。
本当にパソコン業界とは違いますねえ。
今後の新興国にはインフレ(になるかも)、人件費高騰の問題などからますます自国産業を守る傾向が強まる可能性があると思います。ということは、自動車会社は今後も現地生産を重視せねばならんということでしょうか。
これはつまり日本での生産が減少していくであろうことを意味していると考えられます。日産のゴーン氏も円高で野田首相に文句言ってたみたいやし。
多くの雇用を抱える国内自動車産業。その空洞化はますます加速していくかも知れないし、そしてそれはきっといかんともしがたいことなんでしょう。
これが時代の流れというものなんでしょうかね。
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