「1492年コロンブスがアメリカ大陸を発見」と学校では習います。
でも、アメリカ大陸に最初に到達したヨーロッパ人はコロンブスじゃありません。
コロンブス到達の500年も前にアメリカ大陸に到達し、そこに拠点を構えようとした人たちがいます。
北欧のヴァイキングです。
とはいえ、記録上、かれらが到達したのは現在のカナダ北西部ですが。
”ヴァイキング”と聞いて心踊る人は多いでしょう。僕もそう。
突如として海からあらわれては、街を襲う、女をさらう、金品を強奪する。
最近では海賊といえば、カリブ海のイメージがありますが(ジョニー・デップの映画とかね)、僕の中で海賊といえばやっぱりヴァイキングです。
スカンジナビアからあらわれ、ヨーロッパ中を恐怖におとしいれた連中です。
ヴァイキングが歴史に登場するのは793年。
イングランド北東部の島にあった修道院が突如として襲われます。
その後、スウェーデンからは東にバルト海からロシアへ、デンマークからは西へイングランド、ヨーロッパ北西部をはじめジブラルタル海峡から地中海まで、ノルウェーからはアイルランドへ。
フェロー諸島、アイスランド、グリーンランドを発見したのもヴァイキング達です。
もう、ヨーロッパのいたるところへ行ってますね。
彼らはそこを襲撃したり、交易したり、入植・同化したりしていきます。
そもそもヴァイキングがスカンジナビアを出て行った理由としては、人口をまかないきれなくなったことがあるようです。
当時は比較的温暖だったことと、農業技術の向上により人口が激増しました。
しかし、もともとスカンジナビアには農業に適した土地がそれほど多くはなく、増加した人口を養いきれなくなっていきます。
農業技術の向上→人口増加→土地の搾取と退廃→土地の放棄、という流れは世界各地で繰り返されてきたことです。
帆船の技術がスカンジナビアに伝来したこともあり、人々は海外に出ていくようになります。
最初は交易中心だったようですが、襲撃によって金品を簡単に入手できることに気づいた彼らは襲撃者となっていきます。これがヴァイキングです。
ヴァイキングによる襲撃は1066年に終焉を迎えます。
ヨーロッパ人たちが自衛するようになったこと、ヨーロッパ各国の王たちの勢力増加、そしてヴァイキングの祖国であるノルウェーの王が交易国へと舵を切り替えたことなどが原因のようです。
まあ、このころになると簡単に襲撃できる場所がなくなったというところでしょう。
というのが、ヴァイキングの歴史なわけですが、
僕が一番惹かれるのはこういったいわゆる襲撃もの海賊ものではありません。
一番惹かれるのは、冒険者としてのヴァイキングです。
先に述べたとおり、アイスランドを発見したのもヴァイキングですし、グリーンランドを発見したのもしたのもヴァイキングです。これらの島に入植したのももちろんヴァイキング。
さらに心ひかれるのがヴィンランド。
赤毛のエイリークの息子、かの有名なレイフ・エリクソンが到達した地です。
レイフはグリーンランドを出発し、豊かな土地を発見します。それがヴィンランド。
そもそもヴァイキングには地図を作成する習慣がなかったとも言われており、このヴィンランド到達は長い間伝説として語られてきました。
しかし、現在では、カナダのニューファンドランド島に彼らの定住地跡が見つかっており、ここがヴィンランドであるとする説が有力なようです。
もっとも別の説ではヴィンランドはもっと南にあったとする説もあるようで、これはヴィンランド(ワインの地)という名前からきているようです。
苦労して見つけたヴィンランドですが、ヴァイキングはこの地を10年程度で放棄し、グリーンランドに舞い戻ることになります。
現地の先住民族とのいざこざが絶えず、いつ襲われるかわからない状況だったことが大きな理由だったようです。
しかし、本当にこの地を訪れたヴァイキングのすべてがこの地から去ったのか?
さらに南へ下った人達はいなかったのか?
ヴァイキングには地図を書く習慣がなかったとはいえ、まったくなかったのか?
レイフ・エリクソンはグリーンランドに戻りました。そして、ヴィンランドは伝説になりました。
その伝説はどこまで届いていたでしょうか?
僕にはよくわかりませんが、少なくともレイフの出身地であるアイスランド、あるいはヴァイキングの中では有名な話だったかもしれません。
さて、時代は下り1477年、
そのアイスランドをのちの歴史的超有名人が訪れます。
それがクリストファー・コロンブスです。
その後、航海術のさらなる習得に励んだコロンブスは1484年ころから、航海の計画をポルトガル国王に持ちかけるようになります。
結局ポルトガルには見切りをつけてスペインに移り、数年かけてようやく航海を実現するわけです。
その後はみなさんご存知のとおり。”インド”だと思っていた”アメリカ”に到達するわけです。
コロンブスはアイスランドで何かを聞いたのではないか、さらには、もしかしたら、何かを見たのではないか。
アイスランドから帰って、結婚や長男の誕生などをはさんで、動きが早過ぎる気がするし、あまりに強気な気がするんですよね。
すなわち、
コロンブスはアメリカの存在を知っていた!
のではないかと僕は思っています。
もちろん、そんな証拠はないですし、これからも出てこないでしょうけどね。
数十年前にある地図が見つかりました。アメリカ大陸が記入されたヴァイキングの地図です。
結局これは後世に書かれたフェイクだったわけですが、本物は本当になかったのでしょうか?
あったとしても、この世にはもうないのかもしれません。
No comments:
Post a Comment